ボールは意外と凶器 ページ11
仮入部も板についてきた。
……使い方あってるっけ。ま、いっか。
一つ悩みがある。それは、
仕事を未だに教えて貰えない事だ。
もう三日ぐらい、見学とコーチの手伝いをちょっとしただけ。
このままでいいのか疑問に思ったため、隣にいたコーチに話してみた。
『私仕事してませんが』
「なんだ急に」
『やっぱり、目で見て盗めってことですか？』
「やっぱりって……。
そんなどっかのプロみたいな世界じゃないと思うぞ？」
『信用に値しないとか』
「まあ、まだ最初だからな」
これから頑張れ、と言われた。それだけか……なんて思いながらコートに視線を戻す。
『！ 園崎さん！！』
視界に入ったのは園崎さんと、その何メートルか先にすごい速さで飛んでくるボール。
声を出すよりも早く、身体が動いた。
園「え！？」
園崎さんを突き飛ばす。ボールには間一髪で当たらなかった。
そしてボールが自分に当たりそうになり、咄嗟に身体を捻ったけど間に合わず、肩に当たった。
『っ！』
いったいなおい！！！
声にならない痛みに、蹲って耐える。心では思いっきり叫んでいる。
及「ちょ、大丈夫！？」
すぐに及川さんが駆け寄ってきた。それに続いて他の部員も。
『…………』
及「ギャァァ！！ どうしよう！！」
岩「うるせぇ！！ おい、平気か？」
『は、い……』
岩「肩は？」
『……それより、園崎さんは』
園「え？」
既に驚いていたのに、園崎さんはさらに目を見開く。
『突き飛ばしちゃったから……』
園「っ、大丈夫」
松「人の心配より、まずは自分の心配しな」
園崎さんの無事に安心して、肩の痛みに唸る。
横にコーチが屈んだ。
コ「小谷、保健室行くか？」
『いえ、大丈夫です。それ程ではないです』
及「でも一応……」
『私何もしてませんから。こんなん三分で治ります』
だから練習止めないで下さい、と左手で追っ払うしぐさをする。
何人かは渋るも、コーチは練習を再開させた。
園「あの」
壁際へ寄ると、園崎さんがついてきた。
『はい』
園「本当に大丈夫？」
『はい。園崎さんに当たらなくて良かったです』
園「なん、で」
『唯一のマネージャーですから』
そんな人が仕事を出来なくなったら大変だ。そしたら肩にボールがぶつかったぐらい、痛くも痒くもない。
嘘、肩はちょっと痛い。
園「……そう」
返事をした園崎さんの顔は、背中で見えなかった。
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタｗｗｗｗｗｗ (2022年8月27日 13時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです！完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております！無理のないよう更新頑張ってください！応援しています！！ (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです！更新頑張って下さい！！ (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…！ (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です！！応援しています！ (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍原 | 作成日時：2018年4月14日 20時
