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そう思っていたのに。
もう会えないと思っていたのに、あいつは、山中柔太朗は、ものの1年ほどでまた私の前に姿を現した。
一体何なのだ。
どの面下げて私の前に帰ってきたんだ。
やっぱり私は怒っているのだろうか。
でも、あのときと変わらない柔太朗の顔を見て、私の心は高鳴って、踊っている。
じゃあやっぱり嬉しいのか？
こんな複雑な気持ちは初めてだ。
自分でも何がなんやらわからない。
「Aちゃん？どうかした？大丈夫？」
さっきも大丈夫じゃないと答えたはずなのに、まったくもってしつこい同僚だ。
今の私を見て、大丈夫だと思うのか？！
またもや私は冷静さを欠いて、胸一杯に息を吸い込んで大声を張り上げた。
「大丈夫なわけないやろ！もう放っといてや！！」
と、ついつい体の奥底に染みついていた地元の関西弁まで出てしまうぐらい、私は切羽詰まっていたようだ。
ジント「あ…ご、ごめん…。そう…だよね…仕事で、疲れてるのに…。本当に…ごめんね…。いつも迷惑ばっかり…かけて…」
しかしながら、私の目の前にいたのは悲しそうな表情を浮かべてうつむくジント君だった。
そうだった…。
いつの間にやら私はもう会社から帰って家にいたのだった。
そんなことも忘れて、大声を出してしまうぐらい、私は冷静さを欠いていたということだ。
あの山中柔太朗のせいで！！
「あ！！ご、ごめん！！違うの！！今のはジント君に言ったんじゃなくって！！仕事でちょっと嫌なことあって、それで、ジント君にあたっちゃって…本当にごめんね！！だから気にしないで！！本当に違うから！！」
ジント「う、うん…。気にしてないよ…。俺…もう寝るね…。お休み…」
いくら弁明しても、そう言って、ジント君はまだ半分も食べてないご飯を下げて、とぼとぼと肩を落としてリビングのほうに行ってしまった。
やってしまった…。
いくらなんでもジント君にあんなこと言うなんて、私は本当にどうしようもない馬鹿だ…。
おのれ柔太朗の奴め…。
絶対に許さん…！
やっぱり私は怒っているようだ！
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
