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その日は、俺にとって最高の一日になった。
あんなにひどいことしたことも忘れそうなぐらい。
記憶にないはずなのに、なんでこの大小さまざまな盆栽たちは俺の心を弾ませてくれるのだろう。
でもそれは、この盆栽展が楽しいからだけじゃなく、この人と一緒っていうのもあるかもしれない。
だって、こうやって二人で並んで歩いていたら、まるで…。
俺なんかの為に、こんな素晴らしい場所に連れてきてくれて、俺が食べやすいように、お握りやサンドイッチまで作ってくれて…。
「いつも今日みたいに笑顔でいてほしいな。私もその為に頑張るから」
彼女は、俺にそう言ってくれた。
何てお礼を言っていいのかわからない。
右も左もわからない、何も覚えていない俺の為に、ここまでしてくれるなんて。
でも、そう言ってくれて、俺は嬉しかった。
嬉しくてたまらなかった。
「ねえジント君。私もっとジント君と仲良くなりたい。だから、もう敬語はやめにしよ？別に私の事もさん付けじゃなくっていいし。そうだなー、お姉ちゃんみたいに思ってくれていいから！」
ジント「お、お姉ちゃん…」
「え？それどういう反応？ま、まぁ、嫌だったら無理強いはしないんだけど…」
俺と、仲良くなってくれるの？
こんな、俺と？
俺も、もっと…。
もっと、あなたのいろんなことが知りたい。
もっと、色んな顔のあなたが見たい。
だから…。
ジント「俺も…A…ちゃんと…仲良く、なりたい…から…敬語やめるね…」
「そ、そっか…。ありがとうジント君。これからも…よろしくね…」
ジント「こちらこそ…よろしく…」
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月17日 15時
