Step*7 ページ8
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あ「もー、駄目」
独り言と共に、床に投げ出される本。
運動不足の私の腕には、この仕事は無理なようだ。
その場に座り込んで窓の外を見た。
・
…キレイな空
あ「朝は雨だったくせに」
私に、嫌なもの見せたくせに。
萌未ちゃんと藤井が頭に浮かぶ。
忘れようとしても頭に浮かぶ。
目の前がにじんできた。
ああ、いっつもこれだ。
またこうやって座り込んで泣く、
本当弱虫。
どこかで、萌未ちゃんがいなくなってほしいと願う自分がいる。
その自分を責めた。
萌未ちゃんが仮にいなかったとして、彼は私のこと好きになってくれますか。
…そんな自信はない。悔しいことに。
・
「ごめん…っ!」
上から降ってくる、私の好きな人の声
急いで涙をぬぐった。
あ「おかえり…」
顔はまだ上げられなかった。
藤井「重かったよな、まじごめん」
ひょいっと本を抱え、
それだけ持って、と何冊か手渡される。
さっきの三分の一も無かった。
彼の後姿を見た。
何度も、何度も
「好き」
と投げかけた背中。
何度も、何度も
その背中を追いかけて泣かされた。
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YASSUN - めっちゃくちゃ面白かったです!! (2013年6月17日 5時) (レス) id: f2dc25f00d (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ - 久しぶりに読んだけど泣ける・・・何で小説書くのうまいの?書いてくれてアリガトゥ (2013年6月8日 21時) (レス) id: 576c00883f (このIDを非表示/違反報告)
たぴ岡。(プロフ) - 燈那華瞬さん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです! (2013年5月19日 14時) (レス) id: 88001a5ac5 (このIDを非表示/違反報告)
燈那華瞬(プロフ) - こういう終わり方も良いですね♪凄く良かったです、お疲れ様でした! (2013年5月19日 10時) (レス) id: d78e5f31e8 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ岡。(プロフ) - みーるさん» ありがとうございます!いい話なんて…嬉しいです。読んでくださり感謝です! (2013年5月18日 19時) (レス) id: 2edbbe2204 (このIDを非表示/違反報告)
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