第十五話 組合 ページ19
「おーい、A君。見つかったかい？」
「いいや。こっちには無さそうだ」
場所は変わって、Aと太宰の二人はマフィア内にある資料室に居た。目的は只一つ。敦に七十億の賞典を懸けた御大尽が誰なのかを探る為。
本棚から書類を取り出し、目的のモノと違ったら元に戻す。其の作業を二人は淡々と行っていた。
「な―――」
遂に目的の書類が見つかったのか、太宰はその詳細を見て目を見開いた。出資者は、北米を拠点にする異能者集団―――
実在するかも分からないと都市伝説にされていた、三文小説の様な悪玉。
然し、太宰が驚いたのは其処だけでは無かった。
「此れを見てごらん。A君」
「・・・不思議だ。真逆、僕まで
そう。Aが云った通り、Aにも敦と同等の懸賞金が懸けられていた。其れなのに何故、ポートマフィアに身柄を狙われ無かったのか。恐らく、Aは敦と違って異能力が割れていなかったから。
同じ額の懸賞金で、異能が割れていない方と割れている方。どちらを選ぶかは云わずとも後者だ。
其れにしてもだ。何故、A君は懸賞金が懸けられているのかと、太宰は頭を悩ませた。
確かに、Aの異能力は実に興味深い類のモノだった。然し、其れだけでは、決め手となる要素が欠けている。
―――若し、もしも国木田君が云っていた風の噂、A君には
そして、其の異能が
「実に面白いじゃあないか」
書類を片手に、太宰は一層、笑みを深くした。
「さ、A君。探偵社に帰るとしよう。報告やら色々やることが沢山だ」
「僕も探偵社に行くのかい？」
軽く首を傾げたAに、太宰は含みのある笑顔を浮かべた。
「そう、A君も。きっと探偵社に着いたら面白いことが待っているだろうね」
「面白いことか・・・。ふふっ、其れは気になるね。一体、何が僕を待っているんだろうなぁ」
波乱が起こるのは後少し―――。
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牧高(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます☺️続きはどのように見れば良いのでしょうか……？ (5月29日 6時) (
レス) id: 40bd569e74 (このIDを非表示/違反報告)
夜叉 - とても面白く読ませていただきました。 続きが気になります。 この小説好きです。 (2022年11月28日 18時) (レス) @page48 id: 6eda935019 (このIDを非表示/違反報告)
空天 馬(プロフ) - cheap sweetsさん» そう言っていただけるのが何よりも幸せです。読んでくださってありがとうございます！ (2018年9月25日 17時) (レス) id: e9bd85a3ea (このIDを非表示/違反報告)
cheap sweets(プロフ) - とても面白いです。楽しく読ませていただきました。 (2018年9月25日 17時) (レス) id: e7a61814de (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 更新お願いします！ (2018年8月15日 13時) (レス) id: 7a5b092a46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2016年7月13日 3時
