第二話 久しぶりの再会 ページ4
「行こう」
汽車が停車し、三人で汽車を降りる。降り立った外を見ると、そこは小さな薄暗いプラットフォームだった。
目を凝らせば、向こう側から小さな光が揺れながら近づいて来るのが分かる。
「イッチ年生！イッチ年生はこっち！」
随分、大きな影が光を運んでいる。彼が案内人だろうか。足音が止まったと思えば、ランプを持った大きな男の姿が現れた。
「さあ、ついて来るんだ。足元には気をつけろ！」
男の説明によれば次はボートに乗って移動するらしく、乗り慣れないボートに若干ふらつきながらも四人でボートに乗る。
残念ながら、あの二人とは別のボートだ。
「ホグワーツが間もなく見えるぞ。この角を曲がったらだ」
隣でゴクリ、と息を呑む音がして、水面に向けていた顔を上げる。狭い道が開いたのと同時に、わっ、と一斉に歓声が上がった。
これは、凄い。
大きな黒い湖の畔りが広がり向こう岸に、壮大な城が見えた。そのままボートは城の真下のトンネルを潜って行き、地下の船着き場に到着した。
足元に気を付けながらボートから降り、先を進む人に続いて校舎内に入っていく。
「ようこそ、ホグワーツへ。さて、今から上級生と合流しますが、その前に皆さんがどの寮に入るか組み分けをします」
組み分け、か。父様に言われた通り、僕はスリザリンになってしまうのだろう。
それが僕に与えられた、
スリザリンが嫌だとは思わない。ただ、願うくらい構わないだろう。
「本当なんだ、ハリーポッターがホグワーツに来たって」
変声期を迎えたばかりの、少し低い声がハリーの名を大きな声で呼ぶ。誰もが一度は耳にしたことがある名に、周囲の子はヒソヒソと騒めき始める。
「僕は、ドラコ・マルフォイ」
噂が広まるにしては、随分と早い。聞き覚えのある名に惹かれるように、僕は騒動の中心に近付いて行く。
「君の名は聞くまでもない。赤毛にそのおさがりのローブ。ウィーズリー家の子だろ」
「何！？」
取り囲まれた中心を背伸びして見ると、小さい時から馴染のあるドラコと、汽車で知り合った二人が揉めていた。
「魔法族には上柄のいい奴とそうじゃない奴がいるんだ。付き合う友達は選んだ方がいいと思うよ。僕が教えてあげよう」
「いいよ。友達なら自分で選べる」
ドラコは、一瞬固まる。
だが、すぐ不機嫌になってそっぽを向いてしまった。久し振りに会ったが、ドラコは相変わらず分かりやすい。
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2016年6月11日 1時
