どうも、私がアジーム家長女(らしい)です【ツイステ】

20話 ページ24

かたこと、と馬車に揺られること数十分。豪華な(これでも出来るだけ地味目にはしたんだが)馬車はとある大通りの隅にひっそりと止まった。

見慣れた景色に、露天の香辛料の匂いがむわっと鼻に入ってくる。そして、その大通りの脇には細くのびる今回のお目当て。

そう、路地裏スラムだ。


「おーい、皆ー！！！

お姉ちゃんが帰ってきたわよー！！！」



「「「「おねえちゃーーん！！」」」」

「おぐえふっ」

思い切り叫んだ途端、家の前にいた数人が顔を輝かせて突撃してきた。

乙女らしからぬ声が出てしまったヨ………

「おねえちゃんちゃんと帰ってきたね！」

「あら、お姉ちゃんが帰ってこないとでも思った？」

私が無事に帰らなかったことなんて一度もないのよ、と鼻の頭を軽く指ではじいた。いわゆるデコピン。

「だってお姉ちゃんアホだからなんか言っちゃいけないこと言っちゃったりしそうだし……」



「よぉしお姉ちゃん本気出すから表出なさい決闘よ」



誰がアホだ。

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