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始まりの終わり ページ1

「文化祭もとうとう二日目!
今日はついにクラスの劇の日やで!
最後までしっかり頑張ろうやっ。」

文化祭二日目。
昨日の大泣きが原因だろう。
目は腫れぼったく、到底文化祭には見合わなかった。

最悪。

最近、夜泣く事多かったからな…。

「Aちゃん!」

「A!」

突然ふたつの声が重なるから
思わずびくりとしてしまう。

それだけならまだしも
二人の顔が

『ッ!!』

とてつもなく真剣だった。

何か知ってしまったのか?
私の事責める?

こわ、い。

「A、、、?え、ちょ、
どこ行くん!?もうすぐ文化祭始まんねんで!?」

「Aちゃん!話しあんねんって!」

2人の静止の声も聞かず
私はただ無我夢中に廊下を走る。

本当は走っちゃいけないけど
今はそんなのどうでも良くなるくらい走る。

体力が全くない私はすぐ疲れてしまい
屋上へ向かう階段の前で座り込んでしまった。

ここ、人気もないし、
いいかも。

もういっそこのまま。

「海川?何でこんなとこにおるんや。」

私はその声で
動けなくなる。

大好きな音程と
どこか優しさのある声。

世界でただ一人の、
私の好き"だった"人。

でももう、隣にいることは
叶わない人。

想像すら出来なくなってしまった。

私は隣にいる想像も出来ないのだ。

『北先輩。
少し、気分が、あれやったんで、、、。
あ!しばらくしたら帰るんで!お気になさらずー』

わざと明るく振る舞い
なんでもない様に装う。

ああ。
かまってちゃんかよ、私は。

今告白なんかしたら
盛大に振られちゃうよね。

だって眼中にもないもんね。

言ってて悲しくなる。
そんなメンタル弱弱な覚えは無いのに。

今日は特別気分が悪く、ネガティブ。

私はこんな顔すら見られたくない気持ちと
早く一人になりたい気持ちから
そうそうに立ち去ろうとしていた。

「待てや。話、あんねん。」

ドクッ

ドクッ

心臓が跳ねる。
私の中の私が驚く。

やめてよ。
やめて。
もう期待させないでよ。

変にでも期待しちゃう私が


とても憎い。


だから私は逃げる。

貴方という大好きな存在から。

もう、終わりにしたいんだから。

どうせ叶わない。

私の恋なんて、
そんなものということ。

『、、、。離してください。』

「っ。ぇ?」

私の今までにないくらいの
睨み方に
北先輩はたじろいだ。

ごめんなさい。


そして、


さようなら。

月は綺麗だけれど、遠いよ→



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とーうえ れーと - 好きです。頑張ってください。 (1月22日 21時) (レス) id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
みどぅ(プロフ) - 待ってます。 (11月1日 23時) (レス) @page10 id: eaf6f0c936 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 面白かったです!!更新大変だと思いますが待ってます!!! (2022年12月25日 11時) (レス) id: e0ce628341 (このIDを非表示/違反報告)
このちゃ - むっちゃ面白かったです……ドロドロやなぁぁぁぁあ!!!!さいこうぅぅぅぅ!!!!! (2022年12月13日 21時) (レス) @page10 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - きたさんんんんん (2022年11月26日 21時) (レス) @page10 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆらゆな | 作成日時:2022年9月18日 7時

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