貰っても良い？ ページ40
しの)あっ!Aー!!やっと戻ってきっ………はあぁ?!
つくし)えっ!?どういう状況!?
皆が目にしたのはタツヤに手を引かれて歩いてくるAの姿。
何があったんだろう、と見る者の想像を掻き立てた。
しの)なに?なにっ?ついにタツヤやったかあ!?
つくし)わあ〜〜!お似合い過ぎますよ!あの2人っ!
しの)(これは…これは面白くなりそうな予感っ?!)
そんな絵に描いたような2人に見惚れる者もいれば…。
ヒロト)…何してんだよ、アイツら…
動揺を隠せない者達も多くいた。
A)それじゃあタツヤ、ありがとう
タツヤ)ああ
当然のように料理のある方へと向かうA。
何と言っても、彼女のお目当ては料理なのだから当然の事だ。
そんな通常運転なAを目で追うタツヤはとても安心した顔付きだ。
タツヤ)(良かった…元気になってくれて)
微笑ましくAを見送っているとヒロトが隣に歩いて来た。
その姿はタキシードには似合わず、大股で迫り寄ってくるせいで妙に圧を感じる。
ヒロト)アイツと何してたんだよ
タツヤ)…!
やはりさっき2人で戻ってきたところをヒロトにも見られていた…。
ヒロトには2人でいるところを見られたら駄目だと思っていたのに。
Aと一緒にいるといつの間にか、そんな事も忘れていたのだ。
タツヤ)…ちょっと様子を見てきただけだよ
ヒロト)仲良さそうに戻ってきたのにか?
Aはタツヤとどこかへ行ってからというものすっかり元気になった。
それを見て苛立っているようだ。
タツヤ)…それより、後でちゃんとAに謝っておけよ?ヒロトの言ったこと気にしてたみたいだから
タツヤからの忠告にヒロトはピクリと反応した。
ヒロト)…気にしてたのか?アイツ……
タツヤ)普段から思ってもないこと言ってるからだぞ
ヒロト)…あんなの、いつもと変わらないやりとりだろうが…本気にしてんじゃねえよ……
そう言いつつも、その表情からは自責の念が伺えた。
タツヤ)………………
その表情をただ見ただけなのに、タツヤの胸はチクリと痛む。
ヒロト)…何だよ
タツヤ)…やっぱり好きなんじゃないか、Aのこと
ヒロト)……いい加減怒るぞ?
まだ言ってるのか、とヒロトは目を細める。
タツヤ)…じゃあ俺の思い過ごしか?
ヒロト)…当たり前だろ
タツヤ)…それなら、さ
ワンテンポ遅れたヒロトの回答にタツヤは少し黙り込んだ。
タツヤ)……俺がAのこと、貰っても良い?
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作者名：39 x他1人 | 作成日時：2023年7月28日 19時
