四十七話 ページ47
夜の町、カイロの町並みは日常ではあり得ない騒ぎに混乱していた。
ひしゃげた貯水タンクからは絶えず水が滴り落ちているし、ガラスの割れた店があちこちに立ち並んでいる。
「……承太郎」
ほんのりとガソリンの香りのする地面にコツリと靴の音が響く。
「…テメーか…」
カイロの町並みから浮いた、美しい笑顔を称えながら、ゆっくりと、此方へと歩いてきた。
「はは、もう名前も呼んで貰えないか」
「今更、仲直りだ何だと言いに来たんじゃあねーだろうな」
…だめかな。と言ってくれることを期待しての言葉だったが、Aはその場で立ち止まって、首を振った。
「まさか、君とやり直そうだなんて、思ってないよ」
「……そうか」
「残念そうな顔をするね、何故かな？」
少しだけ、眉を下げて、困った様に笑うAの足元には、DIOの亡骸。
しかし、よく見てみれば、Aの右手首から下は存在していなかった。
ソコから垂れ流しになっている血液はAと揃いのDIOの黄金の髪をぬらしている。
「おい、A、テメー…そこから動くんじゃあねえッ！！」
いや、動いた方がいいのか？
行動に写るよりも先に、時が、止まった。
ゆっくりとその体を起こしたDIOは哀しそうにAを見てから、その血色の悪い首筋に、四本の指を突き刺した。
そしてその後、車に掴まり、時止めは解除される。
動き出した時の中で、重力に従い、倒れるAの体を支えた。
咄嗟に、手が出たのだ。
「やっぱり、君は頭が良いね、私の考えてること、全部わかってる。君は、私の最高の理解者だったよ……もちろん、過去形だけれどさ」
無表情で言って、そして、少しだけ顔を、笑みの形に歪めると、Aは、俺の腕の中で、意識を失った。
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ルナ - 主人公は記憶喪失…？ってことになったんですかね…理解力が低くてすんませんっ！ (2017年3月3日 22時) (
レス) id: 8f93dbae6a (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 『DIO様が召された』というコメで吹きましたww…あ、別に悪意あるっていう話じゃないですから！(笑) (2016年10月12日 17時) (レス) id: b758c2dc1a (このIDを非表示/違反報告)
姉がうるさい - 完結おめでとうございます。4部をやる予定はありますか？ (2016年5月3日 13時) (レス) id: 120ae2f1ca (このIDを非表示/違反報告)
弥一(プロフ) - 前から気になっていて、今日初めて読んだんですが面白くて一部から完結まで一気に読んじゃいました。面白かったです！ハッピーエンドじゃ終わらない。それがまたいいですね。東雲出雲さんの書くDIO好きでした！！完結おめでとうございます！！ (2015年10月10日 2時) (レス) id: bb50ae3e3c (このIDを非表示/違反報告)
ソルジャードリーム - ああ！夢主ちゃん生きていてくれたっ！でも最後がなんともっ…最後になりましたが、完結おめでとうございます!!!これからも頑張ってください！ (2015年9月12日 23時) (レス) id: 5aa7608348 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲出雲 | 作成日時：2015年8月23日 23時
