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二十七話 ページ27

全焼してしまった自宅を一通り散策し終え、宿に戻った僕だったが、何とも釈然としない気持ちで、手元の封筒を見詰めていた。



「ジョースターさん?」

「あ、ああ、スピードワゴン…」


差出人の欄には"A"と書かれていて、確かに"ジョナサン・ジョースター"宛になっている。


「どうしたんですか、ジョースターさん。」

「スピードワゴン、これを…」

「これは……手紙ッ!?」


目を見開いたスピードワゴンは少しだけ嬉しそうにしたあと、首を捻った。

僕だって、Aを連れ去ったあのディオが手紙を出すことを許すだなんて思えない。

と言うことは、ディオの目を盗んで届けてくれたのだろうが……


「ああ、不思議と屋敷の火事の中残っていたもの……」


そして何よりも不思議なのは封筒の中身。

本来入っている筈の便箋ではなかった。


「こいつは……Aちゃんの読んでた本の1ページ…」


スピードワゴンは懐かしむように目を細める。


「この本……僕も好んでよく読んでた…たしか題名は…………」


"吸血鬼が蔓延る日"

なんてピッタリの題名なのだろうか。

しかし、これだけでは何を伝えたいのかわからない。


「なんで1ページだけ、それも封筒に入れて…」

「わ、わからねぇ……Aちゃんはお袋さんに似て賢いこだからな……」


すっかりお手上げだ。

どうすれば良いのだろうか…Aは僕に何を伝えてくれているのだろうか…

かち、と、部屋の扉が開けば、師匠ツェペリさんが顔を覗かせる。


「おや?」

「ツェペリさん…」


ツェペリさんはスピードワゴンから受け取った紙をつまみ、不思議そうに首をかしげた。


「ここ…ここだけ紙が薄くなっとるなあ。」


そう言って、窓に紙を押し付けると、確かに紙の薄くなっているところは、太陽の光を良く通していて、文字に見えなくもない。


「本当だ!でも…何てかいてあるか…」

「ジョースターさん!壁だ!!」


スピードワゴンの声に、窓と向かい合った壁を見た。


「あ……っ!」


確かにそこには、太陽の光により浮かび上がった

"Windnightslot"

の文字。


「ウィンドナイツロット…」

「でも、一体誰がこんなもの…」

「とにかく、行ってみるしかないじゃろうな。」



翌日出発すると言って、ツェペリさんは自室へ戻ってしまった。

スピードワゴンも静かに部屋を出ていくと、部屋の中は耳がいたいほどの静かさだった。



「……A…」




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東雲出雲(プロフ) - 罠做さん» ありがとうございます!文章が素敵だなんて(*´ー`*)続編できましたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
東雲出雲(プロフ) - ランタンさん» ありがとうございます!続編ができたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
罠做(プロフ) - 続編楽しみにしてます!!文章が素敵で読み易かったです、続き気になりますねo(^▽^)o (2015年8月18日 2時) (レス) id: 1a112de355 (このIDを非表示/違反報告)
ランタン(プロフ) - この話とてもよかったです!続編も頑張ってください! (2015年8月17日 20時) (レス) id: 751d6d43a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲出雲 | 作成日時:2015年8月15日 11時

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