小塔の中で【DIABOLIKLOVERS】

III ページ5

彼女の閉じ込められている小塔。




この塔は呪いで開かないような魔術をかけられている。




このような特殊な魔術をかけたものに呪いは効かない。




壊すことも、




消すことも。




だからこのようなものは自身の魔力を使うしか無い。




早く、早く。




みんなに会いたい。




早く遊びたい。




でも、あの人はだぁれ？




あのクリーム色の髪の毛にピンクの可愛い目の人。




窓から覗くとみんな楽しそうなの。




彼女は少し苦笑いしているようだけど。




もう、あの人がいるから私はいらないの？




【なら貴女は《お兄様》に会わなくていいのでは？ 姫？】




私に呪いをかけたあの人が言う。




あの人は昔に私達の一族が殺した筈なのに。




まだ私の中で生きているみたい。




私の中で呪いとして。




あの人は私の専属の執事だった。




でも、それも私を呪うためで。




一族に恨みがあったらしくて。




そのせいで私は苦しんだ。




と言うか、今も苦しんでいる。




やめてと言っても呪いは解けない。




呪いを解く方法はひとつだけ。




私が死ぬこと。




実はお兄様達に会って、それで満足できたらこの呪いから解かれようと思っているの。




十分でしょう？




苦しいの。




辛いの。




自由にさせて。




お兄様達の顔を見て、三週間、




呪いの中で自由に生きたら、私は満足。




覚悟もできている。




この中で暮らすのもあと数日。




自由になりたい、苦しみから解かれたい。




だから。




お願いね。




私を邪魔しないで。




彼女がこの世界で生きるであろう日にち、




____残り23日

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