愛して 9 ページ11
無我夢中で走った
泣きながら
放課後だったから幸いにも階段に生徒はおらず、そこに座った
何て事をしたんだろう
私は神威に助けてもらってたのに こんな状況になって逃げ出すなんて 私は弱い
『かっ...む...ごめ...』
そう思うと涙が止まらなくなった
神威は優しい、大切な人
だけど、恋愛感情があるかどうかなんて分からない
そんなの知りたくなかった
『あっ...ひっく...ぅ』
多分 私の声は階段中に響き渡ったと思う
「あれ、何してるんでさぁ」
江戸っ子口調の気だるそうな声
『...くぅっ...ひっ...』
「Aじゃねぇですかぃ」
「何泣いてるんでさぁ」
『うっ...るさい...あっ...ちいって...くぅ...』
「...さすがに女泣いてるの見過ごすのは出来ねぇでさぁ」
『...やっ...めてよ...』
「てゆうか、Aも泣くんですねぃ」
私はロボットか何かか
『...うっ...あぁ...』
話しかけないで
今の私は 心配されると泣いてしまうから
「何があったんでさぁ?」
『うっ...』
そんな優しい目で見ないで
「...」
私は手で顔を覆った
こんな顔見せたくなかった
こんな弱いところ見せたくなかった
「...大丈夫でさぁ」
ふわりと温かい手が私を包んだ
抱きしめられてる
私は分かってた
けど、その手を振りほどけなかった
だって あまりにも温かくて優しかったから
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作者名:花に嵐 | 作成日時:2017年5月23日 1時