愛されｶﾞｰﾙ! 【ｲﾅｲﾚ&ｲﾅGO】≪２≫ (ページ10)

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story56【佐久間side】ページ10

『ﾂｰ…ﾂｰ…』

Aが電話を切って3分は過ぎた。スマホに耳を当てたまま硬直してしまった。

聞き間違いか…？いや、でもちゃんと聞こえた。

Aが最後に『次郎君』と言って電話を切った。

…―『じゃあね！…次郎君っ！』

急に顔が熱くなった。

『A』『次郎君』

改めて自分達は恋人なんだと実感した。

Aの声が頭から離れない。Aの馬鹿。あんなの反則だ。
散々恥ずかしいって言って、最後に名前を呼ぶなんて。これが世に言うツンデレか。

よし！鬼道と不動に報告(自慢)しよう。

まず鬼道に電話しよう。

―ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…

出ないな…。仕方ない。不動に電話するか。

―ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…ｶﾞﾁｬｯ

早！すぐ出たぞ、コイツ。どんだけ暇なんだよ。

不動『んだよ、佐久間』

佐久間「聞いてくれ。篠音と付き合うことになった」

不動『マジかよ！おめでとさん』

不動に祝福されるとなんか照れ臭い。

佐久間「ありがとな」

不動『で？他には？』

佐久間「何が？」

不動『どぼけんなよ。キスとかしたの？』

佐久間「はぁ！？何で、んな事教えないといけないんだ！」

不動『良いじゃねぇか。親友だろ～？』

佐久間「…ほっぺになら…」

不動『ヒュ～！や～るねぇ』

佐久間「も、もう良いだろ！切るぞ！」

不動『おい、ちょっと待てよー』

佐久間「んだよ…」

不動『篠音ちゃんの事、何て呼んでるんだ？』

佐久間「A」

不動『お前は？』

佐久間「次郎君」

不動『ﾌﾞｯ！あはははｗマジかよｗ』

佐久間「は…？」

不動『マジで次郎君？腹痛てぇｗ』

佐久間「何だよ！」

流石に親友でも腹が立った。

不動『昔の事思い出しただけだ。お前の事、次郎ちゃんって呼んでた女覚えてっか？仲良かったよな～。俺は超嫌いだったけどな』

佐久間「お前、よくそんな昔の事…」

不動『忘れたくても忘れられねぇよ、あんな強烈女。お前忘れてたのか？可哀想～。アイツめっちゃお前の事好きだったのにな～ｗこれからお前の事、次郎ちゃんって呼ぶわｗ』

佐久間「やめろ！呼んだら殴るからな！」

不動『おー怖！じゃあな、次郎ちゃんｗ』

佐久間「テメッ…！絶対、明日殴っ…あっ！切りやがった！」

あの野郎…。明日、絶対に殴ってやる。

それにしても、Aに次郎君と呼ばれてる所を不動に見付かれば、絶対に馬鹿にされる。

次郎君って呼んで貰うのやめて貰おうかな…。