12/28 ページ7
彼の死を知ってから、二週間とちょっと。
ひとり、私は生きていた。
家の中はボロボロ。
ご飯には困った。もう、お掃除もできないし。
よくここまで生きれたと思う。
やっぱり、彼が帰ってくるって期待して、待っていたのかな。
でも、もう、限界ね。
『彼はどこにもいないから』
もう、受け入れなきゃ。
ひとりで死ぬのはいや。
死んだら彼に会えるかな?
『今、あなたのもとへ……』
私は布団にくるまる。
彼との思い出が私の頭の中でグルグル回っている。
一緒に生きたかった。
無理だった。
まあ……最初から無理とは分かっていた。
最後まで一緒に生きられないのは、誰もが分かる。
でも、身体が弱くても、寿命が短くても……。
それでも私は願うの。
次は最期まで、一緒に生きようね。って。
だって私……
ネコだから。
そう思って、彼女は死んで逝く。
ネコなのに、人間に恋をしてしまった、彼女。
この思い、きっと彼に届くであろう。
そして、来世では仲良く、幸せそうに笑いあうであろう。
──実らなかった彼女に報いを……──
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←12/12
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ