【派生】及ばぬ恋の滝登り2 (ページ6)

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陽一｢わっ…⁉︎｣

突然のことに驚いていると､俺はいつの間にかお嬢様の隣で座っていた｡

ヘル｢ここで1人というのも寂しいですから…私の隣にいてくださらない?｣

お嬢様から感じる若干の圧(?)に押され､俺は静かに頷く｡

ヘル｢ふふっ､良かったわ♪では早速いただきましょう♪｣

綺麗な笑顔をこちらに向けると､ヘルお嬢様はショートブレッドを食べる｡

その様子を見ていた俺は､後に続くようにそっと食べる｡

サクサクッという音と口の中に広がるバターが､普段の疲れを癒していく｡

陽一｢…お味はいかがですか?｣

ヘルお嬢様にそう尋ねると､彼女は返事をする代わりに穏やかな笑みを浮かべた｡

…｢美味しい｣という解釈で良いのだろう｡

よほどショートブレッドがお気に召したのか､お嬢様はあっという間に食べ終えてしまっていた｡

ヘル｢とても美味しかったですわ♪｣

陽一｢お褒めの言葉をありがとうございます｣(やっぱり褒められたら素直に｢嬉しい｣って言わないとな…)

まったりとした空気の中､2人で優雅に紅茶を飲んでいると､突然お嬢様が口を開いた｡

ヘル｢…美味しいお紅茶ですわ♪また口にできるなんて嬉しい…｣

ふふっと静かに笑みを浮かべ､こちらを見る｡

…今にも吸い込まれそうな綺麗な目､穏やかに笑みを浮かべる口､耳に心地良い声…

こりゃあルキノ先生が惚れるわけだわな…

陽一｢嬉しゅうございます…後でもう一杯いかがですか?｣

ヘル｢えぇ､お願いいたしますわ｣

お嬢様はニコッと笑いながら答えられる｡

お茶会をする前まではちょっと恥ずかしかったけど､こういうのも意外と悪くなかったり…?