18歳 ページ19
朝、揃っているみんなの顔を見ていると、平腹にいの姿がないことに気がついた。
「あれ、平腹は？」
「知らねぇよ、そのうち起きてくんだろ。」
みんながそんな話をしているうちに、平腹にいを探す旅に出た。
「ちょっと、平腹とお隣さんなのは田噛だけなんだからちゃんと起こしてあげてよ！」
佐疫にいは困ったように眉を寄せてそういう。
面倒くさそうに、田噛にいが声を出した。
「ああ？あー、あいつ角部屋でなんかめんどい。それに部屋きたねぇし。」
角部屋で、田噛にいの隣。
会話を聞いて平腹にいの部屋を特定しきった僕は、そーっと平腹にいのところへ向かう。
みんな大きいから、僕が動いたところで気が付かない。
「……平腹にい！」
背伸びをしてやっと届くドアノブをいじり、部屋へはいる。
田噛にいの言ったとおりに部屋は荒れていて、端っこのほうにあるぐしゃぐしゃのベッドに大の字で平腹にいが寝ていた。
「ひらはらにいー！おーきーて！」
平腹にいのお腹の上に跨って体を揺す。
ぴょんぴょんぴょんぴょんと跳ねて必死に起こせば、突然体が吹き飛ばされた。
「……え、」
「……うっせぇな！！何なんだよさっきから！」
本棚に激突し、棚ごと本と共に崩れてゆく。
骨がベキベキ、ミシミシと音を立てて激痛を伴う。
よくわからないが、昔経験したことのあるような、不思議な感じがした。
「……っ、平腹！！何をしている？！」
「Aちゃん？！そこにいるの？！」
直ぐ近くで、谷裂にいと木舌にいの声が聞こえる。
きっとさっきの轟音をききつけてきたのだろう。
そうして、何かを殴る音が聞こえてきた後、平腹にいの不思議そうな声が聞こえる。
「……ほ？……あ、A！さっき、多分Aのこと殴っちまったかも！」
もう一度、今度は重々しい音が聞こえてきた。
「とりあえず本棚を戻そう、斬島手伝って」
「ああ、いくぞ佐疫。」
そして、ガッと乗っかっていた本棚が軽くなり、視界が開けた。
「……Aっ！！大丈夫？！痛いところは？！」
佐疫にいが僕を優しく抱き上げて腕の中に包み込んでくれる。
そこで僕はさっきまで主張してきていた痛みについて思考を巡らせるが、あることに気がつく。
「……さいしょいたかったけど、いまいたくないよ」
つい先ほどの痛みが、綺麗に無くなっていたのだ。
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ファーストMe - とても面白かったです！！続き待ってます！(о´∀`о) (2018年9月27日 22時) (
レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - めっっっちゃ面白いです！！はやく谷裂との絡みが見てみたいです！更新待ってます！頑張ってください！ (2018年7月7日 0時) (レス) id: 80941d4d5d (このIDを非表示/違反報告)
真顔の天使 - 面白かったです。獄卒達(特に斬島)の反応が可愛いかったです!!早く続きよろしくお願いします。 (2018年3月4日 14時) (レス) id: 34e63f959e (このIDを非表示/違反報告)
クスクス - 面白かったです。 (2018年2月20日 21時) (レス) id: 364e94a966 (このIDを非表示/違反報告)
ラル(プロフ) - すっごい面白いです！続きが気になります！ちびっこを見た獄卒達の反応が可愛くてもう、最高です！ (2016年8月8日 5時) (レス) id: d7cba9107c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2016年1月30日 21時
