【獄都事変】夢でまた、逢いましょう。 (ページ7)

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5.「地獄鬼ごっこ」ページ7

「……た、木舌？」

倉庫で息を潜めていると、3人の獄卒と思わしき男性が校舎へ入ってきた。

「どーこ行っちまったんだろーな！！木舌、居ねぇな！」

真面目そうな人と、活発そうな人、そうしてもうひとりは二人に隠れてよく見えなかった。

「……平腹、お前はここを終わらせろ。俺は休む。」

ふと、隠れていた男性が出てきて、すぐ近くの壁へ乱暴に座り込んだ。

少しだけ見えた、黒い髪に橙の瞳。

その瞳は、気怠げそうに細められ、今にも閉じてしまいそうだった。

「えぇー！？お前も手伝えよな田噛！」

「うるせぇ。さっさとやれ」

黄色い目をした男はとても大きな声を出すものだ。

姿見だけでも十二分に活発なのだから、まあ違和感は感じられない。

「……ここはお前たちに任せるぞ、俺は上を見てくる。」

青い瞳が特徴的な男は、真面目そうな成で他の二人を一敬し、階段ののぼっていった。

これだけ人数がいれば、誰か1人が2階を見に行くのは当たり前の流れか。

「……あーだりぃ。……、………」

「……ほ？田噛、もしかして寝ちゃったあ？！……、…おお？！なんだあのボール！」

外がドタバタと忙しない。

それもやがて静まると、田噛と呼ばれた獄卒の静かな寝息がよく聞こえるほどの静寂に包まれた。

しばらくは、何も起きそうにない。

そのことを悟った私は安心しきって、外の寝息につられるように眠気が訪れた。

今までずっと張り詰めていた緊張の糸が、突然ぷつりと切れたのだ。

少しくらい寝ていたって、どうせ誰も気が付かないだろう。

そう思っているうちに、意識は途切れていった。