22.「しょうがないね」 ページ24
嫌な、夢を見た。
そんな気がするが、どんな夢だったかまでは正確には覚えていない。
確か同じ顔が6人でてきて、居間で昼寝をしている女の子がいた。
それはまるで私と兄たちのようだった。
2人は「やめよう」といい、4人は「やろう」と言う。
やがて2人の内の1人が「やろう」と言い出して、というところで目が覚めた。
やけに現実味を帯びた、血生臭い夢だった。
「……あ、時間…いつもより遅くに起きちゃった。…」
ふと近くにあった時計を見ると、8時を少し回った頃だった。
いつもは7時ほどに起きるので、1時間以上遅く起きたことになった。
階段を降りていくと同時に聞こえてくる、何かを降る音と何かの音楽。
イヤフォンから音漏れでもしているのだろうか。
音楽の方はやけに音が小さい。
襖の隙間から静かに覗き見ると、チョロ松と十四松がすでに起きてきていたのか、それぞれ違うことをしていた。
チョロ松は床にうつぶせになって、音楽を聴きながらアイドルか何かの雑誌を読んでいて、十四松は家の中で素振りをしていた。
この2人は比較的早起きしている方なのか。
そんなことを頭の片隅に入れながら、気付かれないように朝御飯の支度をした。
今日の朝御飯は何にしよう。
昨日は焼き魚だったから、今日は目玉焼きにでもしようか。
冷蔵庫から卵を8つ取り出して、温めたフライパンにひとつずつ落としていく。
適当に完熟を4つ、半熟を4つ作り、さらに盛り合わせた。
私の分は後で作ればいい。御飯は作ったわけだから、もう部屋に戻ろう。
そう思い部屋へと踵を返そうとしたとき、はっとした。
お母さんはまだ台所に来ていないということは、きっと部屋にいるのだろう。
つまりは、居間へ運んでくれる人はいない。
かといって、お母さんが起きるのを待っているわけにもいかない。せめて先に起きた兄2人の分だけでも準備しないとだろう。
「……あっ、」
そういえば、部屋に被り物があったはず。
前に店長さんから頂いた、顔が全部隠れるタイプの被り物が。
「あっ、母さ……？！」
「え、なになに？！？！野球？！」
これを被れば、誰だかわからないはずだ。
まだ寝てるであろう兄の誰かっぽいふりをしていれば気持ちとしては全然余裕だ。
「な、なんで馬？！あ…朝御飯？？あ、ありがとう？」
「すっげー！！かっけぇー！！」
私はクールに部屋へ逃げ込んだ。
「…あれ、Aだよな…？」
「うん、Aだよ！！」
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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (
レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……！……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ！！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なんでこんなに文才があるのですか？？これは絶対ず〜っと！過去最高1位ですねっ！！(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ！(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2015年11月26日 1時
