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14.「罪悪感で潰されてしまいそう」 ページ16

「……なんか今変な音しなかった?食器割れる音。」


しまった、あっちにも聞こえていたのか。


幸いひび一つ入っていなかったが、もし割ってしまったら大変な騒ぎだ。

お母さんにもう二度と家の手伝いを頼まれなくなってしまうだろう。


「たぶん母さんが食器でも落としちゃったんじゃない?母さんももう歳なんだし」


「いやそう思うなら手伝ってあげよう?!兄弟誰一人として手伝おうとしてないじゃん!!仕事だって出来てないニートだし!!」



チョロ松は私が毎日家の手伝いをしてることは知らないらしい。
そりゃそうか、みんなが来たら隠れるか逃げるかしちゃうし、みんながいない間にやっちゃうから。


今だって、私がすぐそこで洗い物をしているだなんて知りもしないだろう。


「そういや十四松、さっきので話がそれたけど、流石にもう冬が近いんだからその格好で玄関にずっと居座るのはよくないと思うよー?そりゃAがいつ帰ってくるかなんて俺たちには分からないけどさぁ…。」


「でもおそ松兄さん!!ただ床にどんぐり置いたままにしてたらA気づかないじゃん!!それに、どんぐりと遊ぶのたのしーよ!!」


ぴたっと、食器を洗う手を止めた。

いや、止まった。



まさか十四松、ずっと待ってたっていうの?


私みたいな余計な子を、要らない子のことを?



どんぐりも、私のために一つ一つ拾ってきて、私が家に帰ってくるまでどんぐりで遊んで時間を潰してたってこと?


「……この、お節介なお人好しめ…」


わざわざそんなことをさせて十四松の時間を奪ってしまったということと、初めて触れたかもしれない兄の配慮に手が震えた。




___でもさ、分からないじゃん。



こうやって私の心を揺さぶって、また要らない子だって言って笑うだけかもしれないじゃん。


松野家の六つ子というのは、そういうものなんだ、きっと。


ありもしないことを想像して、一人で怖気付く。

兄からの配慮が怖くて、逃げてるだけなのかもしれない。


もしかしたら、まだ嫌われてるのかもしれない。

邪魔なんだと、思われてるのかもしれない。



「……十四松もよくやるよね、今更。そりゃ昔こそぴーぴー泣いてやめようって言ってたけどさ、あの時は何も出来なかったじゃん。ただ顔を顰めて、突っ立ってただけじゃん。今更仲良くしようとか、試みるだけ意味ないでしょ。」


一松のその言葉は、私にも十四松にも突き刺さった。

15.「大人になりきれない」→←13.「からの、」



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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……!……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なんでこんなに文才があるのですか??これは絶対ず〜っと!過去最高1位ですねっ!!(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ!(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竹ノ狐。 | 作成日時:2015年11月26日 1時

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