生意気な後輩【ボカロ鏡音レン】 (ページ7)

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入学式が終わった後、私達は教室に戻った。

私は溜め息を吐き机に突っ伏す。

どうしてもさっきの少年が脳裏に焼き付いて、離れない。

リト「なんだ、食い過ぎか?」

私は顔を上げると、目の前にリントが立っていた。

貴「違うわバカ」

リト「じゃあ何?」

貴「煩い、リントには関係無い」

私は再び机に突っ伏す。

リト「なんだよ全く…」

するとざぁーと、雨の音が聞こえ始めた。

顔を上げ窓の方を見ると、見事に雨が降っていた。

すると教室のドアが開き、ルカ先生が入って来る。

ル「はい、皆入学式お疲れ。雨が降ってきたけど、今日はこれで終わりだから、皆気を付けて帰ってね」

私はリュックを背負うと、鞄を持ったミクの方を向いた。

貴「ねぇ一緒に帰ろう!」

ミ「あー、ごめん!今日お婆ちゃん家に行くから、いつもと違う道から帰るんだ」

貴「そっかぁ、わかった。じゃあまた明日」

ミ「うん、また明日」

ミクは微笑みながら、教室を出た。

私も帰ろうと教室を出て昇降口へ向かうと、男の子が外を見つめながら呆然と立っていた。

その子は紛れもなく、あの黄色い髪の男の子だった。

私は素通りしようかと思ったが、その子は何か困っている様子だったので、話しかけることにした。

貴「こんにちは」

男「あ、えっと…こんにちは」

彼は一瞬驚きの表情を見せ、また恥ずかしそうに微笑む。

貴「えっと、私は2ｰ3のA。君は?」

レ「ぼ、僕は鏡音レンと言います。1ｰ2です」

貴「へぇ、レン君…よろしくね」

レ「あ、よろしくお願いします…A…先輩」

貴「えっと、どうしたの?なんか困ってたみたいだけど」

レ「じ、実は傘がなくて…突然降りだしたものですから…その…」

もじもじしながら話す、レン君。

なんか可愛いなぁなんて思ってみたり。

貴「じゃあ、私の傘使う?」

レ「え、えぇ!?そんな、悪いですよ…」

貴「いいから、私は走って帰るし。家も近いし」

レ「で、ですが…」

貴「いいの!はい、使って」

私はレン君に傘を手渡す。

レン君は申し訳なさそうにしていたが、花が開いたように笑い、

レ「ありがとうございます!」

と深々とお辞儀をすると、私の傘を開いて帰っていった。

すると、私は自分が帰れなくなったことに気付き慌て始めた。

どうしよう、あんなこと言ったけど、家なんて近くにないよ;

すると、リントが「どうしたの?」とやって来た。

貴「傘がなくて…」

リト「後輩なんかに貸すからだよ、バーカ」

貴「見てたの?」

やべっと目を逸らすリントの頬に、私は平手打ちをした。