□46.アルコール･マジック ページ6
***
もうすぐ日付が変わりそうだというのに、
目が冴えてしまって全く眠れそうにない。
…ということで、最終手段であるアレを使うことにした。
.
普段は全くと言っていいほどお酒は飲まない。
全然強くないのですぐに酔っ払ってしまう。
そして直輝曰く、
私は酔うと、かなり厄介らしい。
……どう厄介なのかは怖くて聞いたことは無い。
.
冷蔵庫に一本だけ入っていた缶を飲み干すと、
それだけで頭がボー…っとするような感覚。
多分、酔ってる…、けど、まだ足りない。
不安も悩みも全部打ち消して、
眠れるようになるためにはまだ、少し足りない。
.
いつもなら諦めてベットに潜り込むところだが、
今日の私はなんだか少しヤケになっているのかもしれない。
追加でお酒を買いに行こうと、
財布と携帯だけ持って、部屋着の上にコートを羽織って家を出た。
.
頭は若干ふわふわしてる、
足取りもちょっとだけ怪しい。
近くのコンビニまでは5分程の距離。
しかし時刻はもうすぐ日付を超える。
こんな夜更けに一人で外出。
しかもほろ酔い状態で。
もし直輝にこんなことがバレたらきっと怒られる。
.
でも知らない。
直輝だって色々勝手だもん。知らない。
.
.
私は悪くないもん。
私に心配かける直輝が悪い。
私を悩ませる直輝が悪い。
………私にキスした直輝が悪い。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
