□68.キャラメル･タイム ページ30
***
直輝｢頭とか痛くない？｣
｢…うん、少しボーッとするだけ。｣
直輝｢ちょっと首触るよ、｣
｢んっ…｣
下ろされたのはベットの上。
直輝の手が首筋に触れびっくりして変な声が出た。
あ…、でも冷たくて気持ちいい…。
.
直輝｢…はい、これ飲んで水分しっかりとって。｣
｢ありがと…、｣
直輝｢起きてるのしんどい？もたれかかっていいよ、｣
.
スポーツドリンクのペットボトルを
蓋を緩めて渡してくれて、私の隣に座った直輝。
もたれかかっていいと言われたので
お言葉に甘えて彼の肩に体重を預けると、
やっぱり頭を撫でられた。
こういう時の彼は、いつもより3割増くらいで優しくて甘い。
.
直輝｢髪の毛まだ少し濡れてるね。｣
｢…あ、ちゃんと乾かす元気なかったから…。｣
直輝｢風邪ひくよ。タオル持ってくる。｣
｢えっ、｣
直輝｢乾かしてあげる。｣
.
うわ、またこの人はサラッとそんなことを…。
焦る私をよそに彼はいつも自然体。
私はいつも一人でドキドキしている。
.
直輝｢Aは風邪ひきやすいんだから。｣
｢…すみません、｣
直輝｢はい、ここ座っててね。｣
.
直輝が後ろからタオルで私の髪の毛を
カシャカシャと拭いてくれる。
頭に触れる彼の指が優しくて、心地よい。
.
ああ…、
この人のこういう優しいところ、
私だけが知っていればいいのに…。
と、切に思う。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
