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14話 ページ17

村を出て、はや18日
予定よりは少し遅いものの確実に城下町へ近づいていました

道中では、特に話すことは無いものの
以前より私達も確実に進歩したのです


以前は二言返事で返されることが多かった会話も今では

『今日はいい天気ですね』

「まぁ、歩きやすいからね」

ちゃんと私の話を聞いて返してくれるように

少しぶっきらぼうではあるものの、この人の愛らしさだと私は受け取っています

私が躓いても

『わっ……!』

「最近気が緩んでるよ、気を付けて」

『なっ……ありがとう…ございます…
 でもっ!ちょっと疲れただけですよ!』

「ひ弱」

『すみませんでしたね!!』

そりゃあ頭には来るけれど、ちゃんと私を支えてくれるし、無言より遥かに良い

今のこの空気が好きだ







「………何ニヤニヤしてるの?
 気持ち悪い」

『女の子に言っちゃいけない言葉なんですけ
 ど、それに少し良い事を思い出していた
 だけです』

「良い事?」

『はい!』

「…………………何だろ、何か嫌だな」


え?何処に拗ねる要素ありましたか??
急に眉間に皺を寄せた霞柱様


「他の誰かの事で笑ってる君を見ると
 何か嫌だ」









すみません、これは固まってしまった私は悪くありませんよね?

あのー、しのぶ様?
この時の対処方がわかりません
というか、この人は本当に霞柱様ですか?




「誰の事?」

『えっ』

「誰?」






『えと……霞柱様……ですが…』




すると、霞柱様は立ち止まり、大きく目を見開くと自分の右頬を引っ張っていた

「………なんか、頬がムズムズする
 ……意味わかんない」


そうして、またさっさと歩き始めた






見ました

ええ、見ましたとも


少しだけあの人の頬が赤くなっていたのを
………つまり照れていた?


『………何なのあの人は…?

 ………ほんっっっとに、自分勝手』

どうかそのまま振り返らずに私の前を歩いてくださいね
今、凄く顔が熱くて死にそうですから









そうして着いたのは、城下町の1つ手前の町
少し大きめなため、宿は良い所が取れるでしょう




――――カン


『え……?』

「どうしたの?」

私は右耳を抑える
違う、いつものあれじゃない


今のは何?音が……響いて……

『今、木造の高い音がして……』

「しなかったけど?」

『……………気の……せい…?』


後ろを振り向いても、何も無く
私はそのまま霞柱様の隣を歩いた

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花みたいに(プロフ) - 名無しになりたいさん» 本当です!直しておきました!本当にありがとうございます! (2019年12月1日 23時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたい - 1話の【超屋敷】は【蝶屋敷】の誤りでは…?素敵な小説でした。 (2019年12月1日 17時) (レス) id: af163a7b99 (このIDを非表示/違反報告)
花みたいに(プロフ) - ありがとうございます! (2019年11月25日 6時) (レス) id: 248b61614a (このIDを非表示/違反報告)
真冬 - すっごく素敵な作品でした。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: eb4bf42b53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花みたいに | 作成日時:2019年10月29日 5時

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