家族2 ページ13
路地裏に行くと
鼻を刺す酷い匂い
その中心にいたのは大好きなお兄ちゃん
血を浴びて
手を真っ赤に染めて
周りにはもう動かない天人が何人も転がっている
貴「お兄…………ちゃん…?」
私が声をかけると
ビクッと体を震わせて私を見る
なにかに怯えたような
そんな目で
神威「…………かぐ……よ………」
そっか………お兄ちゃんは殺しちゃったんだ
それはいけない事
でも、
だからって私がお兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃない
私はお兄ちゃんに抱き着いた
貴「大丈夫
神夜がいるよ
そばにいるよ」
お兄ちゃんは静かに泣いた
貴「帰ろっ!!お兄ちゃん!!」
私が血で汚れたお兄ちゃんの手を掴めば
泣きながら一生懸命笑ってくれた
帰ったら、すごく怒られて
暫くお兄ちゃんとは会えなかったけど
私は知ってるから
お兄ちゃんはとても優しい事を
私はお兄ちゃんを信じてる
そしてお兄ちゃんは許される事じゃないけど、今回は防衛心が働いた事による
と、なったらしく
久しぶりにお兄ちゃんに会う事ができた
貴「お兄ちゃん!!」
神威「心配かけてごめんな
でも大丈夫、これからは
神夜の事は護るから」
少し、お兄ちゃんが代わってしまったようにも思えたけど
私は見ないふりをした
そして10歳のある日
私とお兄ちゃんで買い物をしていた
貴「かーえろかーえろーおーうちにかーえろ」
神威「よし、買う物全部買ったね
帰ろっか」
貴「うん」
そして、言うも通り道を歩いていると
急にお兄ちゃんが止まった
貴「お兄ちゃん?」
神威「…………つけられてる」
気づかなかった
やっぱりお兄ちゃんは凄いなあ
と感心していると
お兄ちゃんが私を抱えて倒れた
貴「………え…?」
何故か、血の匂いがする
私は怪我してないよね
じゃあ……この血は?
お兄ちゃんの脇腹を見て、小さく悲鳴が漏れてしまった
貴「ひいっ………」
ナイフが刺さっていて、ドクドクと血が流れている
何で………?見えなかった…何も
「おっ!!ねらいどおーり!」
「お兄ちゃんは偉いねえ、
自分を盾にして妹を護る!!
泣かせてくれんじゃねーか」
二人の男が近づいて来て、私達を見降ろしていた
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作者名:花みたいに | 作成日時:2019年5月18日 16時