僕が愛してるのは2《五条悟》 ページ48
その後は走って小さな公園に辿り着き、そこにある少し古びたブランコに座って顔を膝の間に埋めた。
先程の自分の行動に少し反省を覚える。
昔から私は、少し腹が立つことがあったらマシンガンのように一方的に喋って相手の弁解を耳に入れないことが多かった。さっきだってそう。悟が何か言おうとしてたのに私ばっかり怒ってしまって……
『……帰って悟に謝ろう』
そう心に決めるも中々腰が上がらない。
きっと悟も怒ってるはず。不機嫌にならない方がおかしいと思う。でもこの件に関しては悟も悪いと思う。私に内緒で他の女の人と連絡取って会ってたってことでしょ?
いくら私でもズキズキと心が傷んで辛かった。
悟とあの女の人との関係を認めたくなくて、あんなに理不尽に一方的に言ってしまったけど。
……帰ったら振られちゃうのかな。そんな考えが頭をよぎった。
「……A」
突然耳に流れ込んでくる愛しい人の声。顔を上げるとそこには少し息を切らした悟の姿があった。
『あ……さ、さと「……馬鹿野郎!心配しただろうが!」…ぅぇっ…!ごめんなさい……!』
急に声を荒らげる悟に少しビックリして肩がビクッと震えた。その後勢い良く正面から抱き締められる。
「…何やってんだよ!僕の話ひとつも聞かないで出ていって…
何で?出ていったの?」
『……だって悟……他の女の人と連絡取ってたじゃん……』
「女?おん……ぁあ〜……あれ?Aにはまだ紹介してなかったっけ?
あれ僕の妹だよ」
『い、妹……?』
「そ、ほらAもうすぐ誕生日でしょ?女性が喜ぶプレゼントとか僕分からないから直接会ったりして妹に聞いてたの」
…てことは私は悟の妹さんのことを……
ようやく状況を理解すると顔がカアッと熱くなった。
『……最悪っ』
「そっかそっか!Aは僕の妹に嫉妬してくれたんだね!?」
と嬉しそうに言う悟にデコピンをした。
『……うるさいっ!これ全部悟が悪いんだから!』
プイッとそっぽを向くと悟は喉を鳴らして笑った。
「も〜う、また照れちゃって……あ、まだちゃんと髪乾かしてないでしょ。帰って乾かしてあげるから風邪ひかないうちに帰ろ?」
と優しく手を差し伸べた悟の手をしっかり握った。
『悟』
「ん?」
『……絶対浮気なんかしないでね』
「大丈夫。僕が愛してるのは君だけだよ」
と手を繋ぐ力が少しだけ強まった気がした。
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アメ玉(プロフ) - すーさん» すーさん!初めまして!お返事遅くなってしまって申し訳ないです!!リクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月20日 1時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - まかろにぱにーにさん» 初めまして!えぇぇそんな…神だなんて恐れ多いです……!ヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノあわあわ でも喜んで頂けたならすごく嬉しいです!暖かいコメントありがとうございます!! (2020年12月20日 0時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
まかろにぱにーに - え?待って?ナナミンイケメンすぎひん?神作品だ……。アメ玉さん(様)100年生まれてこなかった逸材では!? 神です。マジで。アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神 (2020年12月19日 23時) (レス) id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ちゃんみおさん» わあああちゃんみおさん!!(泣)引き続きリクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ぬたうなぎさん» やっぱりそうですよねぇ……スイーツは語彙力の宝庫ですね!(。・`ω・´)キラン☆←何言ってるか分からない (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アメ玉 | 作成日時:2020年11月25日 0時