私の気持ちは分からない2《両面宿儺》 ページ23
本当はこんなことしたくないのに…もう一度宿儺さんを睨んでしまう。
早く宿儺さんの隣を通り過ぎたくてまた足を進めるが尚も腕を掴んでくる宿儺さん。
『…しつこいです』
「チッ……貴様がそこまで言うのならもう良い。
引き止めた俺が馬鹿馬鹿しくなって来た。
____今すぐ俺の前から消えろ。俺の気が変わらぬうちに」
そう冷酷な目で告げられれば誰も反抗なんて出来ない。
『……っ。いいですよ、私も今日は貴方の顔見たくありません…』
そのまま踵を返してもう一度玄関に戻ろうとする。
____違う。本当はこんなこと言いたいんじゃない。
今日はなんか……思ってることが言葉や態度に出てしまって……上手く伝えられない。
疲れ溜まってるんだろな……ちゃんと休まなきゃ……
とりあえず高専に戻って____((グラッ
その時自分でも身体が傾いたのが分かった。
しまった……ここにきて身体の限界が来るなんて……
____なんてついてないんだろう。
最後に私が見たのは私の名前を大声で呼ぶ宿儺さんだった。
****
『…ん』
目を開けると私はいつもの寝ているベットの上にいた。
「……やっと目を覚ましたか」
上半身を起こして声のする方を見れば宿儺さんが近くの椅子に頬杖を付きながら私を見ていた。
「……急に倒れたから心配したぞ」
『……ごめんなさい。迷惑かけて…』
次第に私の視線は下に向いてしまう。
「…まあ良い。
さっきは悪かったな。少し言い過ぎた」
『え…』
____なんで宿儺さんが先に謝るんですか。
『……宿儺さんは何も悪くないです。私も少し言い過ぎました…』
力無く布団をキュッと握り締める。
いくら調子が悪くてイライラしていたとはいえ、宿儺さんにそれを当ててしまった私が悪い。
「……最近仕事続きだったのだろう。
少しはキチンと休め。自分の体調は自分で管理しろ」
『ほんと仰る通りです……以後気をつけます……』
ぺこりと宿儺さんに頭を下げた。満足そうにそれを見ると宿儺さんは組んでいた足を解き立ち上がった。
「分かればそれで良い。
今日は特別に俺が飯でも作ってやろう。お前は少し休んでおけ」
とスタスタキッチンへ歩いて行った。
____それからは怒られないようにキチンと休みを取る私でした。
不器用な私達1《伏黒恵》→←私の気持ちは分からない1《両面宿儺》
719人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アメ玉(プロフ) - すーさん» すーさん!初めまして!お返事遅くなってしまって申し訳ないです!!リクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月20日 1時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - まかろにぱにーにさん» 初めまして!えぇぇそんな…神だなんて恐れ多いです……!ヾ(・ω・`;))ノ三ヾ((;´・ω・)ノあわあわ でも喜んで頂けたならすごく嬉しいです!暖かいコメントありがとうございます!! (2020年12月20日 0時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
まかろにぱにーに - え?待って?ナナミンイケメンすぎひん?神作品だ……。アメ玉さん(様)100年生まれてこなかった逸材では!? 神です。マジで。アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神アメ玉様神 (2020年12月19日 23時) (レス) id: b2ccf5b6d7 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ちゃんみおさん» わあああちゃんみおさん!!(泣)引き続きリクエストありがとうございます!!了解致しました!少しお時間いただきますね!! (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
アメ玉(プロフ) - ぬたうなぎさん» やっぱりそうですよねぇ……スイーツは語彙力の宝庫ですね!(。・`ω・´)キラン☆←何言ってるか分からない (2020年12月13日 21時) (レス) id: bd385b4018 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アメ玉 | 作成日時:2020年11月25日 0時