ほ の ぼ の 廻 戦１【呪術廻戦】《短編集》

勉強会《虎杖悠仁》 ページ8

『〜〜〜っ！あ〜！！わかんなーーーーーい！！！』





机を両手で叩き、手に持っていたシャーペンを放り投げた。



「どした？A」



視界の隅で部屋のドアがゆっくり開けば、悠仁がこちらを見ていた。




『もうヤダ。テストなんてやりたくない』




問題集を閉じて机に突っ伏す。




というのも実は来週私の高校では期末テストがある。



私は数学とか化学とか物理などの理数系科目がこれでもかというほど苦手。



その代わり文系の科目はそれなりに頑張ってるつもり……多分。




そんでありがたいことに、テスト初日の科目は数学、化学、社会。先生の嫌がらせにしか感じない。



だって12教科もあるのになんでそんな意味わかんない組み合わせになる普通？訳分からん！！




『ねぇ〜……悠仁〜助けて…』




あ、ちなみに悠仁は私の幼なじみで家が隣。


今日はその悠仁が遊びに来てて、私がテスト期間なので隣の部屋でゆっくりしてるんですよ。




「俺、勉強とかあんまり分かんないけど……Aが困ってるなら俺が助太刀いたす！！」




とグッと親指を立てる悠仁。それだけでも頼りになる。





「で、何からやる？数学？化学？」


『数学で』


「即答じゃん。そんなに分かんない所多い？」


『うん。数学は１回嫌いになったら2度と好きになれません』



「まあやってみるか……じゃあワークのページ開いて」




ペラペラとテスト範囲のワークを開くと悠仁は「う〜ん」と唸った後、よしと言ってペンを取り出した。






え、分かったの？嘘…






「ごめんA、俺も分かんないや〜」






ハハっと短い笑いの後、照れて頭を搔く悠仁。




「テスト来週だっけ？明日学校行くから先生に聞いてみていい？」



『そんな、悪いよ！それなら私が数学の先生に聞きに行くよ』



「大丈夫！遠慮すんなって！頼りになる先生が居るんだ！」




そんなニカッとした笑顔を向けられては断れない。





『じゃあ悠仁に甘えようかな…？』





「おっし！んじゃ俺でも分かる社会やろうぜ！」




『社会は私得意なんだよね……』



「え、そうなの？」





〜後日〜



『悠仁どう？あの問題聞いてきてくれた？』



「いや〜聞いてきたは聞いてきたんだけどさ……


《悠仁、僕がなんの先生か知ってる？呪術を教える為の先生なの。頼ってくれるのは嬉しいしその子には申し訳ないんだけど……ほんとに分からないからさ僕》


って言われた」




そりゃそーだ。

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