□106.彼を苦しめないで ページ26
***
公園についたら、
いきなり誰かに後ろから何かで口元を塞がれて、
意識を失ってしまった。
そして…、気づいたら、今に至る。
.
.
“やっと目が覚めたか”
｢…！｣
“あの男のために自ら飛び込んでくるとは
本当に馬鹿な女だな”
声のする方に顔を向けると、
そこにはコアラのマスクをつけた人がいた。
…あ、これ…、
昔あずささんが誘拐された“コアラ男” …。
.
.
“口のテープは取ってやる。
今から森島直輝にお前の映像を送るから、
せいぜいあいつに向かって命乞いするんだな”
｢…っ…、
ちょっと待って…！
直輝には何もしないって約束でしょ…！？｣
“何もしないなんて言ってない
お前が来なきゃあいつは死ぬと言っただけだ”
｢じゃあ今約束して、直輝には何もしないで！｣
“…うるせえ！！
お前はあいつをおびきだすための道具なんだよ！”
｢…私はあなたの道具になった覚えはない！！｣
“…黙れっ！”
.
ｶﾞﾝｯ、と体を蹴られて横に倒れる。
手を縛られた状態なので庇うことも出来ず、
無抵抗に顔を擦りむいてしまった。
.
.
｢…ぃ…った……、…どうして直輝に近づこうとするの｣
“お前には関係ない…いいから黙ってろ”
｢関係ある…！
直輝はもう十分苦しんだの……、
……これ以上直輝を苦しめないでっ…！｣
“…黙ってろって言ってんだ…！！”
.
起き上がれずにうずくまっていると、
急に首筋にバチバチと電流が流れる感覚。
私は再び意識を失ってしまった。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
