■107.彼女を傷つけないで ページ27
***
Naoki Side
レンから送られてきたメッセージを呆然と見ていると、
突然Aからテレビ電話がかかってきた。
嫌な予感がして慌てて通話に出ると、
…そこには、
.
直輝｢…っ……！｣
“この子の命が惜しければ、1億円用意しろ”
.
コアラ男に銃を突きつけられているAの姿があった。
彼女は手を縛られていて、
ぐったりとして意識がないように見える。
顔にはいくつか傷もあって、
どうして彼女がこんな目にあっているのかと理解が追いつかない。
.
直輝｢…お前…、Aに何した…！｣
“少しおしゃべりが過ぎたから、大人しくさせただけだ”
直輝｢ふざけんな…っ！！…何が狙いだ…！｣
“はは、本当は1億なんてどうでもいい。
代わりにゲームをしよう、
今から俺が送る場所に来い。
制限時間は1時間だ。
…もし、1秒でも過ぎたら、この女は……死ぬ”
そうコアラ男が言い放った瞬間、
画面には制限時間を示すタイマーと、
時限式の矢のようなものが
Aに向けられているのが画面には映った。
.
直輝｢……どうしてAを…、彼女は関係ないだろう…！！｣
“関係あるんだよ！！
…タイマーがゼロになったら、この矢は自動的に発射される”
直輝｢…やめろ｣
“…じゃあ、ゲームスタートだ！！”
.
そこで通話は切れた。
…俺のせいで…、Aが……、
後悔と自責の念に押し潰されそうになりながらも
助けに行く以外に選択肢はなかった。
.
直輝｢…くそっっ！！｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
