□36.cocoa ページ36
***
直輝｢…大丈夫？｣
｢…もう絶っ対にホラーは見ない…！｣
.
その後、なんとか映画を見終わって、
半泣きになっている私にティッシュを差し出す直輝。
…ありがとう、って言うけど、
元はと言えば直輝のせいだった。
今の私のありがとう返して欲しい…。
.
｢なんで直輝はこういうのばっか見るの…？｣
直輝｢別にホラー映画が好きなわけじゃないけど。｣
｢…じゃあなんで見たの？｣
直輝｢それは…、｣
そっ、と頬に手を添えられて、真剣な目で何かを言おうとする直輝に、ドキッとする。
.
直輝｢…やっぱ言わない。｣
｢えっ…！？｣
直輝｢まあいいじゃん。…よし、｣
｢えっ…｣
直輝｢ん？｣
急に立ち上がってどこかに行こうとする直輝に不安になって、どこ行くの？って聞く。
.
直輝｢コーヒー取りに行くだけだよ。｣
｢…ついてく。｣
直輝｢キッチンすぐそこだけど？笑｣
｢…いいの！｣
.
まだ明るいし、ましてや家の中だけど、
怖い映画を見たあとで一人になるのはどうしても嫌で、直輝の後ろをついて歩いてしまう。
.
直輝｢A、怖いの見た後はいっつもこうなるね。｣
｢…嫌ならもう見ないで……。｣
ぎゅっと手を握られて、
そのままキッチンへ連れてってくれる直輝。
自分のマグカップにコーヒーを入れて、
私の方には暖かいココアを入れてくれた。
.
直輝｢…嫌じゃないから見るの。｣
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
