□31.好きだから、好きなのに ページ31
***
何か言われて、すぐ赤くなるのは直輝だからだよ。
.
直輝のことが好きだから、
ストレートな言葉に照れちゃうんだよ。
例え、君にそのつもりがないとわかっていても、
恋愛感情から来る言葉じゃないとわかっていても、
それを全て上手く流せないくらい、
あなたが好きなの。
そんなふうに言えたら、どんなに楽だろうと思う。
.
“好き、以外ならなんでもあげるよ”
“俺なんか好きになってもいい事ないしね”
出会って間もない時に言われた
あの言葉を聞いてしまってから、
この気持ちは伝えてはいけないものなのだと悟った。
.
大好きな人の傍にいる代わりに、
好きだと伝えることを諦める道を選んだ。
自分で選んで決めたんだ。
.
.
直輝｢A…、聞いてる？｣
｢えっ…あっ、うん！
大丈夫だってば、みんな私なんか興味ないよ。｣
直輝｢…、｣
｢…い…、いはひ…｣
.
急に頬をｷﾞｭｯとつねられてびっくりする。
直輝はなんだか不機嫌そうな顔をしていて、
あれ…、私なんかしちゃったかなって。
.
｢…なお…き？｣
直輝｢…いや、なんかムカついただけ。｣
｢ムカ…っ…！？｣
直輝｢…Aは自分のこと全然大切にしないから。
自分のこと下に見すぎだし、
最悪どうなっても仕方ないって思ってるでしょ。｣
***
□32.Rolling Coaster→←■30.意地悪でごめんね
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年1月21日 0時
