３ 結果 ページ5
オーディションから数日
僕はマネージャーの南さんに呼び出された。
オーディションの結果が届いたのだという。
「さて、A。覚悟はいい？」
『お、お願いします』
あっ駄目だ緊張する。
今すぐここから逃げ出してしまいたい。
まるで死刑宣告を待っているような気分だった。
ぎゅっと目を瞑って、南さんの言葉に身構えた。
『え、ごう…かく…？』
「ええ。おめでとう頑張ったわね」
『うそ……』
「本当よ」
合格。
たった二文字が受け止めきれない。
“不”を読み飛ばしてるんじゃないかと何度も確認するが
書いてあるのは二文字だけだった。
なら、これは夢？
きっとそうだ。
ほらこうやって抓っても痛くな…アイタッ！？
「随分ベタな方法で確認するのね」
『いた、い…現実？』
「そう。あなたが、秋田藤四郎に、選ばれたの」
南さんがゆっくりと語りかけてくる。
放心状態の僕でも、それは何とか理解することができた。
『僕が…秋田くんに』
「そう。あなたが夏の新作公演に出るの」
『新作公演……』
喜びは驚きに遅れ、後からじわじわとやってきた。
ようやく現実を受け止めて身体がカッと熱くなる。
僕、選ばれたんだ。
憧れの舞台に立てるんだ。
『っ、僕、ずっと憧れで……っ』
「知ってる
だからここまで頑張ってきたのよね」
『は、はい！それで、』
「ええ、分かってる
おめでとうA。凄い子だわ」
うれしい！嬉しい！
それなのに、南さんの手が暖かくて優しくて、涙と嗚咽しか出てこない。
感謝を伝えたいのにまるで言葉にならないのだ。
「あらら…泣いてないで笑っときなさいよ」
見かねた南さんがハンカチを渡してくれた。
その手がもう一度僕の頭に伸びて、髪に触れる直前ハッとしたように動きを止める。
『……？』
「ねえA、今のうちに聞いておくわね」
『は、はい』
先ほどまでとは打って変わって硬い表情。
これは大事な話がある時の顔だ。
自然に背筋が伸びた。
「簡単な仕事じゃないわ
でも、選ばれたからには後には引けない」
『引くつもりはありません』
「私達も出来る限りサポートはするけど
きっと、今までの比じゃない位大変になると思う」
『わかってます』
いつまでも子供で居られないのは分かっている。
南さんが、僕のことを心配してくれているのも分かっている。
だからこそ
『見ていてください。お願いします』
そう言うと、南さんは安心したように息を吐いて
僕の頭を撫でた。
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
