28 本編�� ページ31
和泉守さんと2振り
並んで岩に腰かける。
「なあ、お前良いのかよ？
秋田実季の本来の命日、十日後なんだろ」
和泉守さんはかつて、歴史通りに元主を殺す任務を負った。
今の僕と同じだ。
だからこそ、色々と思うところがあるらしい
『空が』
「あ？空が何だってんだ」
『ずっと曇りなんです
歴史が乱れているせいだって、鶴丸さんが』
「まぁそうだろうな」
『こんな、悲しいじゃないですか
最後に見るのは時化空じゃなくて、澄んだ青空がいい…僕はそう思います』
「そーかい」
和泉守さんは、僕の頭をがしがしと撫でた。
「ま、辛かったら言いな
一人で抱え込んで無茶するんじゃねえぞ」
乱暴ながら優しい物言いに、少し涙が出そうになる。
『み、見張り代わってきますね！』
返事も待たず、その場を後にした。
・
屋根の上から、こちらに歩いてくる実季様を伺う。
「げほっ」
荒い息を吐いて、実季様が立ち止まった。
とても体調が良さそうには見えない。
「彼奴らの力で生き永らえているとはいえ
この身体…諸刃よの」
『っ、実季様！』
元主が胸を押さえて蹲る。
その光景に耐えられなくて、思わず飛び出してしまった。
『大丈夫ですか！誰か…一体どうしたら』
「ごほっ お主、この間の童か？
生きておったのか」
『え、あっ！しまった』
まずい
なるべく接触しないようにと言われていたのに。
僕の焦りを知ってか知らずか
実季様は僕の手を握って話し始める。
「見かけによらず頑丈じゃのう
しかも、この儂を助けるとは
儂の命を狙っておるとばかり思うておったが？」
『それは、その』
はいそうです、と言える空気ではない。
思わず、フクロウ並の勢いで顔をそらした。
あまりにわざとらしかったせいか、客席から笑いが起きる。
「まぁ色々事情があるようじゃの
ではせめて名だけでも聞いておこう」
『名前、ですか』
「そうじゃ
儂の剣を腹に受けて死なぬ者に興味が湧いた」
どうやら、実季様は僕達刀剣男士のことは知らないらしい。
それなら秋田の名は名乗れない。
かといって、良い偽名も思いつかないし
……そうだ！
『
「ほー
これはまた変わった名じゃのう」
何を隠そう、これは晩年の実季様が使っていた号である。
あなたが名付けたんですよ、とは口が裂けても言えないけど
『では、僕はここで』
「ああ
お主とはいつか手合わせ願いたいものだ」
『！……失礼します』
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
