27 人村雨の雨宿り ページ30
横田side
「はい。まだまだ土砂降りでーす」
『何かさっきより強くなってません？』
今日はこれから場当たりがある。
そろそろ劇場に行く予定の時間だけど、
生憎この豪雨。
今外に出ていくのは、あまり良い案とは言えないだろう。
結局どうにか収まりそうなタイミングをみてホテルを出ることに決まった。
「うわ電車止まってるみたいですよ」
「やっぱ歩くしかないかなぁ」
この雨の中歩いたら確実にずぶ濡れになる。
風邪をひいてしまったら大変だ。
樟太郎とかはピンピンしてそうだけど
「あ、スタッフさんが車出してくれるって」
「まじすか やったー！」
これで楽な移動が約束された。
皆嬉しそうだが、
Aだけは何故か浮かない顔だ。
「A、もしかして車酔いとかする？」
『いや 大丈夫です…』
不安そうに鞄を抱きしめる姿は、
明らかに大丈夫な人のそれではない。
暫くして到着した車に乗り込んだ後も
その様子は変わらなかった。
・
「お疲れ様です」
「お！お疲れ大変だったでしょ」
「いやホントに
車出して貰えて助かりました」
楽屋に着くと茅野さんが待ち構えていた。
「体温まったら始めるから準備しといてね」
「了解です」
荷物を鏡台の上に置く。
各々が稽古着に着替え始めるが、
Aは立ったまま動き始めようとしない。
「どうしたの 体調悪い？」
Aの体は小刻みに震えていた。
顔色もあまり良くないように見える。
見かねて声をかけると、ビクッと肩が跳ねた
『すみません…気にしないでください』
「そりゃ気にするよ
車乗る時からおかしかったもん」
『…気づいてたんですか？』
Aは申し訳なさそうに目をそらすと、
ポツリポツリと話し始めた。
幼い頃、車に乗っていた時に事故にあい
両親を亡くしたということ。
それ以来車に乗るのが怖いということ。
犯人は、先日釈放されたということ
『克服しなきゃとは思ってるんですけど
全然ダメで、ごめんなさい』
「いやいやAは悪くないって」
話している間に落ち着いてきたのか、
もう震えは止まっていた。
それでもまだ顔色は良くない。
「じゃあ今度もし車移動することになったら
俺が一緒に走ってってあげるよ」
『…え〜電車にしましょうよ』
ようやくAにいつもの笑顔が戻る。
何だかほっとした。
「龍儀先輩してんじゃん」
「うわ見てたんすか！」
背後で崎山兄さんがニヤニヤしている。
いや、恥ずかし
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
