24 本編�� ページ27
隊長の秋田が重傷を負い、部隊は一度本丸に帰還した。
「秋田藤四郎。調子はどうですか？」
『……』
「秋田君？」
『…………』
「秋田。呼ばれてるぞ」
『え…あ、はいっ
体はもう大丈夫です！主君の手入れのおかげです』
実季様に刺し貫かれた傷は、もう綺麗さっぱり無くなっている。
体のどこにも痛みは無い。
その筈なのに、なぜか胸の辺りがジクジクと痛んだ。
「さて、本題ですが……」
「秋田実季だな？歴史改変が成功しちまったか」
「ええ。1660年に死ぬ筈の彼が、その後も生き長らえたことになっている
恐らくは、遡行軍の力を取り込んで無理やり寿命を伸ばしたのだと」
“秋田実季は遡行軍側だった”。
徳川家を滅ぼし、歴史を変えようとしている。
元主が歴史修正主義者と手を組んだことへのショック。
あの時、実季様を止められなかった不甲斐なさ。
自分が負けたせいで進んでしまった歴史改変。
その事実が僕の心に重くのしかかった。
「改変が起きたのは、徳川家綱の歴史
この時間軸においては1661年に病死したことになっています」
「本来の死期より20年も早い……そうだね？」
「その通り。おかげで、徳川幕府のその後の歴史も大きく変わりつつあります」
正史と同じ病で倒れた綱吉公。
けれどそれはフェイクで、本当は殺されたのではないか。
実季様達の手によって。
同じ結論にたどり着いたようで、皆一様に硬い表情をしている。
『僕が、実季様を斬れなかったから』
そうだ。全部僕が失敗したせいだ。
大切な元主と、顔も見た事がない人達。
その全ての人生が、僕のせいで少しずつズレていく。
あの時の自分の選択は刀剣男士として最悪だった。
「その事なのですが、事態は少々込み入っていまして」
『え、？』
「何か引っかかることでもあるのかな？」
「徳川綱吉の死因についてなのですが」
「遡行軍が殺害し、病死だとでっちあげた
……僕達はそう解釈したが、違うのかい？」
「ええ。恐らく本当に病死、だそうですよ。
遡行軍側が接触した痕跡も無いと」
主君の言葉に、はっと息を飲んだ。
いくら遡行軍といえど、人の病までは操れない。
『っそれじゃあ実季様は、』
「家綱公の死には関係がない？」
実季様が遡行軍と手を組んだのは史実における晩年。
つまり、家綱公の死の1年前だ。
伊勢にいた実季様が、その短期間でどうこうできるとは考えにくい。
病の進行が早まったのなら、何か他に原因が…
「残念ですが、そう簡単な話では無いのです」
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愛莉(プロフ) - あんのお餅さん» あんのお餅様コメントありがとうございます。3年ぶりの祭、テンション上がりますよね！今からとても楽しみです！ (2021年11月16日 1時) (
レス) id: dbfedac61a (このIDを非表示/違反報告)
あんのお餅(プロフ) - 真剣乱舞祭、決定しましたね！ (2021年11月16日 1時) (レス) @page46 id: 436e739fd5 (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - 那智さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、この作品を読んでいただけていること感謝しております。那智様にとって素敵な一年になりますように( ´ ` *) (2020年6月9日 19時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
那智 - 誕生日にこの作品に出会えて感謝感激です(≧▽≦)毎日暑いので無理されませんようお気をつけ下さい (2020年6月9日 13時) (レス) id: fb12e35feb (このIDを非表示/違反報告)
愛莉(プロフ) - ヌーマイトさん» コメントありがとうございます！これからも投稿続けていきますのでよろしくお願いします (2020年5月28日 16時) (レス) id: 5de24330da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛莉 | 作成日時：2020年5月23日 14時
