61、お墓 ページ19
女の子は静かに歩み出した。
私たちは、それに黙ってついて行く。
オウニ「…なんだ、これは」
大きな丘に、たくさんの鈍色に光る長い物が刺さっている。
リコス「お墓よ」
「……」
リコス「連合帝国の国々の中では、砂葬や火葬をする地域もある。でも私たちには土葬が一般的」
チャクロ「…これを…君が一人で送ったの…？」
女の子はこちらを無機質な目で見た後、その墓の間を通って、前へと進んでいく。
オウニ「これを淡々と一人でやったってのかよ」
オウニは女の子の後を追いながら言う。
オウニ「…魔女だな」
チャクロはその場に膝をついて崩れ落ち、小さな嗚咽を漏らしている。
私はオウニたちの後をゆっくりと歩み出した。
この数のお墓を、今のような表情で、一人でつくったのは、確かに女の子を軽蔑してしまう。
だけど、ここにたくさんの人たちが埋められたのは、女の子のおかげだ。
彼女が魔女であったなら、ここまで丁寧にお墓をつくろうとするだろうか。
彼女が無表情で無感情なのは、何か理由があるんじゃないのだろうか。
オウニ「おい、どこまで行く気だ」
女の子の後をついて行くと、やがて不思議な建物の中へ入っていった。
リコス「……」
依然、女の子は何も言わず、歩みを進めるだけ。
チャクロ「待って！みんなっ」
チャクロがそう言うが、私たちの速度は速まっていくばかりだった。
なぜなら、この先にある、未だまみえたことのない『もの』があって、引き寄せられているのかもしれないし、あるいは、知りたいという欲求が恐怖という感情を殺しているのかもしれない。
どちらにしろ、人の探究心と好奇心は時に身を滅ぼす。
リコス「ここよ」
女の子が、不気味に揺れるカーテンを手に掛けて立ち止まり、私たちへ振り向く。
女の子が中へと消えたので、私たちは同時にカーテンの前で足を進めた。
「っ…」
なんだか耳鳴りがする。
誰かに呼ばれているみたい。
そして私たちはカーテンを大きく開けた。
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姫乃(プロフ) - 鈴さん、ありがとうございます！そんなー！嬉しいです！読んでくださるだけでもありがたいのに、面白いだなんて、楽しみだなんて！！中間考査中にも更新出来たらしますね！ (2018年5月10日 0時) (
レス) id: 9a7901e607 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すごく面白いです！！いつも楽しみにさせてもらってます。更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月9日 22時) (レス) id: 8f94786c83 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - ああ！！��(ﾟДﾟ)ありがとうございます！忘れていました！！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 12f13cd074 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月15日 16時) (レス) id: c7490cab95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫乃 | 作成日時：2018年4月15日 16時
