ー9 ページ39
「やだー！！！絶対行くの！！！」
私は他の部屋に避難してダルツォルネさんに手を合わせる。
どうやらネオンが実際にオークションに参加するのは難しいようで、それを聞いた彼女が癇癪を起こしたのだ。
ここまで暴れるネオンを私たちの力でどうにかすることは出来ない。どうか頑張ってくださいダルツォルネさん。
しばらく破壊音が続くと、それはピタリと止んだ。恐らくネオンが疲れて眠ったのだろう。
部屋に戻ればそれは凄まじいものだった。
ダルツォルネさんの頭にもたんこぶがあるのが見て伺える。
「また派手にやったのね」
「Aお嬢様……！」
「でも地下競売は今日なんでしょう？明日目が覚めたらネオンはなんて言うかしら」
この子は純粋にオークションに参加して、そのお宝を自分で手に入れたいだけ。
お金持ち様のお遊びではあるけれど、子供の我儘はどうにかしてあげたいと思ってしまうものだ。
「……今父君をお呼びしましたので……。
Aお嬢様も今晩は決して外出をしないでください、もしなにかあれば……」
「お父様が黙ってない、でしょうね。あの人血の繋がってない私を奥様に重ねているんですもの」
まったく、愛情とは利用しやすくて面倒だ。
ネオンの額にキスをして先程の部屋に戻ることにする。あそこに居て朝が来たら大変なことになるかもしれないからね。
……確かクラピカとセンリツは屋上に居るはず。
少し顔を出そうか、そう思った時だ。
「っ……！」
視線
一瞬だったが間違いなく何かが私を見ていた。
……誰が？ここは頑丈なセキュリティで守られていて侵入なんて到底無理だろうに。
気がつけば、私の手は震えていた。
そっと階段を登って除けば、2人は少し会話を交わしながらも外を見張っていた。
「あら、可愛いお客さんさんが来たみたい」
ビクッと体が跳ねて身体を隠す。……が、思い出してみれば相手はセンリツ、心音まで聞こえるエスパーだ。
隠れても無意味なので、もう一度除けば2人ともしっかり私の事を見ていた。
クラピカも驚いた様子がないので元から気づいていたのだと思うと恥ずかしくてしょうがない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薄桃桜(プロフ) - A’さん» そんな……私にはもったいない言葉です。でもこうして誰かに読んで頂けて、感想を貰えて、とても嬉しく思います。これからも私が伝えたい事を少しでも表現出来るよう日々精進していきます！本当に優しいお言葉、ありがとうございました。 (2022年8月2日 8時) (
レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
A’(プロフ) - なにこれ．．．最高すぎます！！東リべみたいでなんかカッコイイです！！それから、薄桃桜さん自身は｢文才がない｣なんて言うけど、私はそうは思いません。とても分かりやすくてセンスのある表現をされています。尊敬します。�兇諒�も引き続き頑張ってください！！ (2022年8月1日 2時) (レス) @page29 id: 931e8514a8 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - にゃるす。さん» そう言って貰えるだけでとても嬉しいです！少し遅めの更新になるかもしれませんが、頑張ります！ (2022年7月25日 6時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
にゃるす。 - この作品大好きです！！主人公と旅団やゾルディック家やクラピカ達との絡みが最高です！！更新頑張ってください！応援しています！ (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: e39ed7afb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薄桃桜 | 作成日時：2022年7月19日 11時
