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「待って」
私が舌を噛み切ろうとしたその時、誰かに肩を掴まれた。あの男ではない。小柄で、不思議な見た目をした……女性？だろうか。
「初めまして、私はセンリツ。ごめんなさい……貴方からとても死の音がしたからつい」
「……死の音？」
どうやら彼女は物凄く耳が良いらしく、私がしようとした事に気がついたようだ。
厄介な相手である。心が読まれているというわけか……嘘をつくのも無駄な足掻きって言うわけね。
「……どうして、死のうとしたの？」
「蜘蛛のため」
「怖くないの？」
「まさか、みんなのためになるなら何を怖がれって言うの？」
彼女はとても悲しそうな顔をして私を見た。なんて哀れなんだろう、そんな気持ちがみて伺える。
「……クラピカはね、貴方を殺すつもりは多分無いのよ。分かっているの、貴方が優しい心の持ち主であること、貴方は旅団とは少し違うことを」
「違くない！！私は蜘蛛、旅団の一員だ！！
誰が死のうが知ったことじゃない、私にとって大事なのは仲間の皆の命だけ。だから私はあの鎖野郎を殺したくて殺したくてたまらない」
もし私に力があれば、皆と同じように仕事をして沢山の人を殺したに違いない。命を玩具のように扱っていたに違いない。
「……死にたい。ウボォーに会いたいっ……」
もう居ない。あの脳筋バカは。なんでもかんでも力任せで乱暴な彼は……もう居ない。
会いたくて会いたくて仕方がなかった。涙が堪らなかった。
「……クラピカも、貴方と同じだったのかもしれないわね」
彼女はそう言って私の背中を撫で続けてくれた。
それから何日過ぎたのか分からない、私は廃人のように過ごしていた。食べ物も飲み物もろくに喉を通らず、少しずつ死へと向かい始めている。
そんなある日、私の部屋にあの男が来た。
あの時よりも酷い顔、全てを失ったような……絶望の顔。
「……とうとう私を殺しに来たの？」
彼は私の目の前まで来ても何もしない。まず殺意が無い。脱力感、それだけだ。
「蜘蛛が死んだ」
ぽつりと零されたその言葉。
マフィア達の手によって5人の死体が見つかり、その中には団長の死体も見つかったらしい。今残党を探すのに息を巻いているらしい。
手に爪がくい込み肉を抉る、このまま全てをぐちゃぐちゃにしてしまいたかった。
死んだ、皆が、クロロが。
じゃあ私は何故今生きているんだろう。
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薄桃桜(プロフ) - A’さん» そんな……私にはもったいない言葉です。でもこうして誰かに読んで頂けて、感想を貰えて、とても嬉しく思います。これからも私が伝えたい事を少しでも表現出来るよう日々精進していきます！本当に優しいお言葉、ありがとうございました。 (2022年8月2日 8時) (
レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
A’(プロフ) - なにこれ．．．最高すぎます！！東リべみたいでなんかカッコイイです！！それから、薄桃桜さん自身は｢文才がない｣なんて言うけど、私はそうは思いません。とても分かりやすくてセンスのある表現をされています。尊敬します。�兇諒�も引き続き頑張ってください！！ (2022年8月1日 2時) (レス) @page29 id: 931e8514a8 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - にゃるす。さん» そう言って貰えるだけでとても嬉しいです！少し遅めの更新になるかもしれませんが、頑張ります！ (2022年7月25日 6時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
にゃるす。 - この作品大好きです！！主人公と旅団やゾルディック家やクラピカ達との絡みが最高です！！更新頑張ってください！応援しています！ (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: e39ed7afb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄桃桜 | 作成日時：2022年7月19日 11時
