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「40億」
ヤクザのような見た目をした中年の男がその値段を示すのを最後に、私のせりは終わる。
周りの人々は悔しげに彼を見て、中には憎悪の籠った目をする者も。これ後で1悶着あったりするのでは無いのだろうか。
もうどうでもいいから早くして欲しい、首輪も手枷も付け立ち続けるのはなかなか体力がいるのだ。
疲れた私は飼い主がステージに登って私の目の前に居ることにも意識を向けていなかった。
そう、次の瞬間までは。
発砲音、それを耳が捉えた時にはもう目の前の男の頭は破裂していた。
血飛沫を飛ばして男が倒れた後、時差があってから悲鳴が上がる。
パニックになった客たちは一斉に逃げ出そうとした。
……が、出口の扉に手をかけた者の首が糸によって釣り上げられ、切り落とされる。
それからは一瞬だった。ある者は殴り潰され、ある者はズタズタに切り刻まれ、ある者は泣き叫びながら周りの者を撃ち殺してその後に自ら頭を撃ち抜く。
地獄絵図、それがピッタリ。
私はそれをステージの上で見ていた。疲れたから座って。でもなかなか私の方に攻撃が来ないのを見て、私をこのオークションから盗むのが目的の犯行なのだろうと思う。
これがモテる女の辛さか。
「やぁ女神さん」
黒い髪をオールバックにした青年が目の前で倒れている男をステージの下に捨てて私の前でひざまづいた。
「俺はクロロ=ルシルフル。君を盗みに来た」
そんな人の血肉、臓器がそこら辺で散らばる中で言われた運命の言葉。
差し出された手を私はなんの躊躇もなく取った。
「怖がらないんだね」
操作の念能力が備わっていた首輪と手枷を壊して連れてこられた廃ビル。私は中心に座らされ、正面の瓦礫の上にいるクロロを見上げていた。
「別に、クロロ達からは殺意とかそういうのは無いから。私は誰かに買われたりするのはどうだっていい、ただ死ぬのはちょっと怖いかも」
「へぇ、変わってるな。普通見知らぬ誰かに買われて好きにされるなら死んだ方がマシだって思うはずだけど」
確かにそれはある、舌を噛み切ろうかと思ったぐらいだし。
「買われるのはって言ったでしょ？もし私が望まない事を強要されそうなら躊躇いなく舌を噛み切る」
「大した覚悟だ」
すると、背後から他の人達がざわざわと戻って来た。
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薄桃桜(プロフ) - A’さん» そんな……私にはもったいない言葉です。でもこうして誰かに読んで頂けて、感想を貰えて、とても嬉しく思います。これからも私が伝えたい事を少しでも表現出来るよう日々精進していきます！本当に優しいお言葉、ありがとうございました。 (2022年8月2日 8時) (
レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
A’(プロフ) - なにこれ．．．最高すぎます！！東リべみたいでなんかカッコイイです！！それから、薄桃桜さん自身は｢文才がない｣なんて言うけど、私はそうは思いません。とても分かりやすくてセンスのある表現をされています。尊敬します。�兇諒�も引き続き頑張ってください！！ (2022年8月1日 2時) (レス) @page29 id: 931e8514a8 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - にゃるす。さん» そう言って貰えるだけでとても嬉しいです！少し遅めの更新になるかもしれませんが、頑張ります！ (2022年7月25日 6時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
にゃるす。 - この作品大好きです！！主人公と旅団やゾルディック家やクラピカ達との絡みが最高です！！更新頑張ってください！応援しています！ (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: e39ed7afb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄桃桜 | 作成日時：2022年7月19日 11時
