深海のヒヤシンス【影山飛雄】 (ページ25)

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「お前が新しいマネかー、よろしくな」

『は、はい！精一杯頑張ります』

「まぁ、曲者揃いだけど頼むぞ」

『う、…はい！』

この人は烏養コーチ。あの、烏養監督のお孫さんだそうだ。にしても髪すげぇな。良い人だけど。

その後、部員全員とちゃんと挨拶をした。

中でも、東峰さんが1番印象的だったなぁ。

あの人が最初コーチかと思ってビクビクしてたら、エースだって言われるし、凄いと言えば

「い、いやっ…俺はそんな…」

って、なんかネガティブだし。

何より

「何ビクビクしてんだ旭！！先輩の威厳くらい保て
よ！！」

スガさんが東峰さんに対して強かった。

そんな感じで朝練は終わり、今は片付けをしている。
ボトルを今から洗いに行こうとした時だった。

「おい、クソ女」

『…その呼び方やめてくんないマジで』

「お前、浮かれてんじゃねぇぞ」

『無視かよ！！てか、お前は少女漫画に出てくる
イジメの主犯格か何かかな？？』

「ぎゃーぎゃーうるせぇ！！とにかく、お前が
何のつもりで此処に居るのかは知らねぇが、
俺達の邪魔だけはすんなよ」

…飛雄は、バレーが好きなの変わってないんだな。
そこは昔と一緒でちょっと安心した。

ムカつくけどね？(ここ大事

『何のつもりもなにも、私はただバレーが好き
なだけ。昨日も言ったでしょ。
それに、邪魔するつもりは微塵もないよ。
私は半端なバレーが嫌い。あんた達がそんな
バレーをするなら辞めるし、私が邪魔になるなら
辞めるさ』

「あ゛？俺達は半端なバレーはしない、馬鹿にすん
な」

『そ、なら良かった。

別に私と仲良くしなくても良いけど、私達が
こんな雰囲気だとチームに影響出てくるよ。
だからとりあえずお前は私に突っかかってくん
な。お互い無視すりゃ良いんだから』

「偉そうに指図すんな！！言われなくてもお前なん
か今後一切視界に入れるつもりはねぇ！！｣

そう言い捨てて彼は言ってしまった。

1人残されたジャグで、痛む胸を抑える。

『あーあ、ほんと嫌われちゃった』

今でも好きなんだけどな。

今日はジャグの水も異様に冷たく感じられた。