深海のヒヤシンス【影山飛雄】 (ページ16)

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「は、ちょ影山！？お前何言ってんの！？」

「うるせぇ日向、お前も勝手に勧誘とかしてんじゃ
ねぇよこのボケが！！」

「いや、ちがっ…」

目の前で私に毒を吐いた男は本当にあの飛雄なのか。

えっ、ええええええ？？？？？

いや、待て知らん！！あんな飛雄私知らないよ！？
なんていうか、昔は…私が『飛雄ー』って言ったら
「なーにAちゃん！」ってニコニコキラキラスマイルで駆け寄ってきた飛雄だよ！？

しかも何、忘れたのコイツなのに、私がどちゃくそシリアスな心境で言ったのも知らずにお前ウザイ！？部員目当て！？半端な気持ちだぁぁぁあああ？？？

ブッチンプリンしたかんな。

私は無言で飛雄に近づくと、ドラマで見たように胸ぐらをグワァッと掴んだ。

『お前が私のことどう思うが、認めまいが
こっちは関係無いんだわ。
一応言っとくけど部員目当てじゃないよ？
少なくともテメェみたいなクソムカつくＶ字前髪
を目当てに部活なんてしねぇよ。だって面倒臭い
じゃん？私がここに居るのは、ずっと好きだった
バレーに少しでも触れられるかもしれないから。
あんたが勝手に私に言うように、こっちだって
勝手にさせてもらうよ』

「あ゛？その根拠はどこにあんだよ、このクソ
天パが」

『あ゛！？これは天パじゃねぇ猫っ毛のウェーブ
だ一緒にすんじゃねぇえ！！』

「知るかこのクソ女！！」

『クソクソ言うなよ私はう〇こちゃうわ！！
古部Aって聞いてた！？』

「誰がクソ女の名前なんて言うか！！
う〇こで充分だボケェ！！！」

お互いに髪を掴み合い罵り合っていた。

「ちわーっす……って、は！？なんで影山と女子
が喧嘩してんだよ！！」

『うるせぇハゲ！！』

「田中さんちょっと黙っててください！！」

体育館に入って来た人に思わずそう言ってしまったが、後から気づく、この人先輩なのでは…と。

方を震わせ、般若の顔をしたその人は

「落ち着けお前らぁあ！！！あと俺はハゲでなく
坊主だ！！！」

と、怒鳴りながら私と影山の頭にもれなく拳骨1発ずつ。

岩泉様にもされたよねそういえば。

ただ、思い出して欲しい。

私が体弱いのと、あの時は大分手加減されていたことを。

『許さんハゲ…』

勿論ぶっ倒れた。