1st turn ページ2
ーレオナsideー
もう王宮にいるのが苦痛すぎてならなくなったある日、俺は兄どもには無断で王宮を抜け出した。
しばらく歩いていたら人だかりがあり、俺は興味本位で覗いてみた。
そこには俺と同じくらいの黒豹の少女と中年の男がテーブルを挟んで何かをしていた。
テーブルの上にはトランプ。
少女は意味ありげな笑みを浮かべて男を見つめる。
男「くっそ…参った…!」
『そりゃどうも…約束は?』
男「くっ…!これで充分か!!」
男はバン!と金の束をテーブルに打ちつけた。
金を数えた少女は満足そうに笑って
『ありがとさん♪次〜!誰かいるかい?』
と呼びかけた。
どうやら誰も手を上げないようだ。
面白そうだ、そう思って人混みをかき分ける。
レオナ「…いいか?」
すると数人の男が俺の前に立ち塞がった。
男「ここはガキの来るところじゃない。さっさと帰れ。」
そう言われた瞬間、あの少女の声が聞こえ、俺と男の間に立つと
『やめな!アタシもガキさ!人の事言えないだろ?ほらキミ、気にしないで。さあ来て!』
そう言って俺の手を引いた。
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作者名:靉 | 作成日時:2021年8月14日 10時