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黒尾side ページ29

「クソっ…!!」

壁に拳を強く当てつける、ヒリヒリと感じる痛みと唇の噛む痛みが混ざり合う、痛いはずなのにそれが気持ちいいと思ってしまうのは体のどこかがそれ以上に痛むのを感じるからだ。


彼女が、あいつが…ほかの男とキスするだけで想像をするだけで俺は酷く怒りが湧く。いつも彼女の話になると違和感感じていた、それが今になって分かるんだ。

俺はAのことが好きでたまらない、彼女に酷いことをしても尚俺は好きで好きで、愛しているんだ。それを何処の馬の骨がわからないやつにAの唇が奪われるのを見て正気でいられなかった。



もう…やめにしよう。俺はもう我慢できない、プライドなんか捨ててAに俺の思い全てを伝える。
そう思ったのは受験が終わって卒業を間近にしていた時だ。


そして今現在、この有様だ。そうだ、俺は結局言えなかったんだ。彼女は静かに遠くの高校に通っていて、それに気づいたのは研磨が音駒入学してきた時だった。




「…クロ?」

「あ、悪い。考え事をしていた」


せっかく研磨が機会を作ってくれてまた昔みたいになれる、あいつの隣にいれると思った。だが俺に入る隙はなかった



「良い人…か」

「さっきから気持ち悪いんだけど…」

「はいはい子供は寝る時間ですよ、早く寝なさい」


逃げた俺とは違ってAをちゃんと受け入れた人なんだろうな。彼女が倒れた時に呟いた言葉、



『角名君…』


そんなこと言われて、キス出来るほどメンタル強くないんだよ。


「ほら、寝るぞ」

「分かってるよ」

研磨と保健室を出て部員がいるところに向かって廊下を歩く。真っ暗な外を窓越しで眺めながら、研磨の子守りをする、俺の日常に戻るのだ






「角名だっけ…幸せな野郎ですこと」





最後に、もう言わないであろう言葉を吐き捨てて

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設定タグ:ハイキュー , 稲荷崎 , 角名倫太郎   
作品ジャンル:恋愛
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゅこ | 作成日時:2020年12月13日 19時

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