黒尾side ページ28
『ありがとう、もう戻るね』
「うん、おやすみ」
その後たわいもない話を続け夜も更けて来た頃だった。すっかり元気になったAは女子マネが集まっている教室に戻ることに。廊下をゆっくりと歩いていく彼女姿を消えてなくなるまで遠くで見ていた。
「クロ、いい加減きなよ」
「あり?バレてた?」
ため息を着いて早く来いと言っているように俺を見る。よく見てきたその顔にニヤケながらノコノコ研磨のところに寄っていった。
「なんでしなかったの?クロがすればもっとエネルギーを吸収出来たはずなのに」
「だよな、俺にもわかんない」
俺がAにキスをすれば野良猫なんかよりもずっとエネルギーを与えられる。ネコなんかじゃ気休めにしかならない。
俺がそれを1番知っている。
俺とAが疎遠になって数年の時がたった頃だ。小学生高学年に上がった頃の俺はAにした事に罪悪感を抱き始めた。そして1人で過ごす彼女の後を後ろめたく追っていた。
『あ、逃げないでよ』
突然、道の途中で止まった彼女は誰かに話しかけている。ニャーという鳴き声が聞こえそれが人ではないと悟った、彼女は付近に住み着いてる野良猫を抱き上げ顔を近づけた。
『──』
そしてネコにキスを落とす。そこで気づいた、彼女はプライドを捨てるくらいにエネルギーを求めていたんだ。そこから俺は彼女のことが気掛かりで、学校や帰り道などで会ったら目で追ってしまっていた。動物を見つけては唇を近づけエネルギーを吸収していた。
そしてそれは動物から人間へと変わっていった。
「ねぇ、また風蝶さん彼氏と別れたって」
「あー知ってる、6組の子でしょ?可愛いけど男取っかえ引っ変えだよね〜」
「わかるー!来る者拒まずって感じ」
中学に上がって思春期だった俺達は【恋人】に興味を持ち始めた。しかしそこで上がるAの話題はいいものではなかった。
Aにとって彼氏と言うのは格好の獲物だった。成長してネコでは満足できなくなった彼女は恋人という形でエネルギーを吸収することにしたのだ。
『ねぇはやく』
「わかったって、ほんとAはキスが好きだなあ」
学校の人通りのない廊下でまた新しく出来た彼氏だろうか、男と唇を合わせている。それを目撃した俺は逃げるように走った。目的もなくただ校舎を走る。
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅこ | 作成日時:2020年12月13日 19時