頼み事 ページ13
『何言ってんの…?』
そんなの、良いわけないじゃん。だって私が角名君にキスしたらエネルギーを奪ってしまう、そしたら彼は今みたいな事ができなくなるかもしれない。
そんなの嫌だ
『角名君、試合に影響が出るよ』
「でないよ」
『なっ!…なんでそんなことが分かるの』
何を根拠に言っているの?確かにエネルギーを摂るんだから体が嘘をつくはずはない。だから絶対にコンディションは下がるはずなのだ。なのに「でない」って…
『しないから』
「俺、今120%の力が出てるから風蝶さんとキスしても
100%ぐらいになるだけだよ。問題ない。
もしかしたら…もっと上がるかもね」
『保証がないよ、そんなの』
無責任だ。そんな言葉は
「それは"頼み事"だとしても?」
頼み事。それは私の秘密を守ってくれる見返りの事、でもそれは
『角名君…それは頼み事のうちに入らないよ
だって私にはデメリットが無いもの。角名君にメリット
もないし。』
「あるよ。風蝶さんはさ…なんで気づいてくれないの?」
『え?』
目の前が真っ暗になる。気づけば彼の腕の中でますます思考は混乱していった。
気づいてくれない?なんのことか分からない
彼はそのまま私の唇を奪うようにキスをした。いつにも増して甘い、かと思えば少し酸味が混じる。でも嫌いじゃない味。
『…ダメって言ったのに』
「頼み事がもう1つあるんだけど」
『なに?』
「もう時と場所なんか気にしないで
好きな時にキスしてよ」
彼の頼み事は何故…こんなにもわたしの胸をしめつけるのか
『さっきから角名君おかしいよ。
なんで私にメリットしかない頼み事ばかり…』
「言ったじゃん、俺にもメリットはあるって
ねぇ…お願いだからさ。俺が
したいんだ」
最後に呟いた言葉どこか寂しそうで、細かった。そんな声を聞いて、ずっと我慢していた気持ちが溢れだしてくる。
私の好きな時にキスしていいの?
なんでそんなに優しいの?
角名君は何を考えてるの?
ねえ、私も本当は
君と普通に、何回だって
『したいよ…』
「え?」
『…いいよ。しよう、でもさすがに何回もはしないから』
「角名君の体が持たないでしょ?」だって私は君のエネルギーを奪ってしまうんだから。
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅこ | 作成日時:2020年12月13日 19時