神曲-R Sound Design-【kwmrさん】 ページ10
君は本当に、魅力的な人だ。
柔らかに全身に降り注ぐ午後の日差し。
君の笑顔。
ガラスに映った僕の頬は間抜けに赫く染まっていた。
『何かあった？』
君は予期しないことを突然言い放つ。
「憂鬱な日々を抜け出してきたんだ」
僕がそんなことをカッコつけて言うと
『随分と詩的だね』
君はまたクスリと笑った。
お互いにわかってるからこその、笑みだった。
お互い結婚してるのに、こうして2人夜の中落ち合うのは。
僕も君もお互いを忘れられないから。
夜空の闇の奥底の薄ら光る星に向かって、君は。
『河村君が幸せになれますように』
なんて願ってみせる。
拓哉呼びだったのに、結婚と同時に「河村君」と呼ぶようになった君。
多少夫への背徳感はあるようだった。
そんな君の願いは、裏腹に僕の悪意を誘った。
「知らない世界を僕に見せて」
君の知ってる、僕の知らない世界。
『二度と此処に戻れないよ？』
「君がいるならそれでもいい」
彼女は息を呑んで、僕の顔を見つめ、ため息を吐いた。
『それじゃ、息を止めて』
言われるがままに息を止める。
何故か一緒に目を瞑ってしまった。
そして、口に被さった柔らかい物体。
瞬時に、キスをされたのだと察知した。
そして、首をギリと締められた。
苦しさに喘ぐ僕の顔を見て、彼女は静かに俯く。
視界が狭まってきた。
酸欠ぎみか、頭が回らない。
脳がふんわりしてくる。
目がチカチカしてきた。
そこにさらに唇を重ねられた。
苦しいんだか、気持ちいいんだかわからない。
そして、堕ちかけるところでパッと手が首から離れた。
ゴホゴホ咳込む僕。
鏡を見せられ、それを覗き込むと首のところにくっきり手のアザが。
「殺されかけました」
彼女はなんとも言えず笑った。
彼女が触れたところから、棘が刺さったようにジクジク痛む。
歪な愛が流れていく。
薔薇だ。
綺麗な薔薇には棘があるように。
君の優しさの裏側にも同様に棘がある。
彼女の優しさは優しさのようで、「早く目を覚ませ」という警告かもしれない。
賢しい僕はそれに気付いてしまったけれど。
気づかないフリをしていようと思うんだ。
そんな罪を抱えたままでいたいだけの僕だから。
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絹田きぬた(プロフ) - もし病院で見かけたら、私、叫んじゃいそうです！「え、なんでなんで」ってwで、そっとそばで見守りますw (2020年6月20日 20時) (
レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 水上さんですって！？最高ですね。水上さんがうちの近くの病院に来ないかなぁ、(笑) (2020年6月20日 16時) (レス) id: 17b218ff81 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - いろさん» ありがとうございます！！！！！私も嬉しすぎてやばいです！！！！！！！私も好きです！w (2020年6月6日 22時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - あー！！！！！大好きです！！！！！あー！！！まさかそんなところで繋げてくるなんて！！！！！！！感動しすぎてエクスクラメーションマークが！！！！！すごい量に！！！！！好きです！！！！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - 葉月さん» そうです！いい曲ですよね！知ってらっしゃる人がいてよかった！ (2020年6月6日 22時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹田きぬた | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月30日 22時
