そのにじゅうなな ページ28
正門付近で伊藤君に会って、今から帰るところだと話すと、家まで送ってくれるらしく
お言葉に甘えて二人の間を歩いているんだけど
「だから俺は言った……テメェら皆殺しだッ！…ってね！」
「お前そんなこと言ってないだろ」
「あははっ面白いね三橋君！」
三橋君の話す話題は喧嘩のことだったり、揉め事なんだけど、三橋君の話し方が面白くてついつい笑ってしまう
それに、よく聞けば喧嘩というよりもその今井さん？とはすごく仲が良いのが分かる
「こんなに笑ったの久しぶりだよ！」
「お？そうか？じゃあこれからは俺が毎日笑わせてやる！！だから……俺と付き合おうAちゃん」
「ダメだっつってんだろ」
「いってぇ！！何すんだ伊藤お前ェ！！」
二人のやりとりはまるで漫才のようで
昨日一晩中泣いていたのが嘘みたいに笑いが止まらない
三人で笑い合いながら商店街を歩いていた、その時だった。
「A……？」
聞き慣れた声
だめ、振り返っちゃ、だめ
そう自分に言い聞かせ、前だけを見る
「…A、だよな？」
「？Aちゃん？呼ばれてるけど…」
伊藤君と三橋君が不思議そうに私と後ろを交互に見る
思い切って、ゆっくりと振り返れば
少し悲しそうな顔をした猛君がいた。
「ああー！お前は昨日の怖そうなお兄さん！！」
「え！？あ、あの噂の…！」
騒ぐ二人と対照的に、静かにじっとお互いを見つめ合う猛君と私
大丈夫？怪我はない？昨日は本当にありがとう
言いたい事は山程あるのに。声が出ないのはなぜだろう
「昨日は無事帰れたみたいで良かった」
本当は今すぐにでも近寄って、お礼を言いたい
だけど約束を破ってしまったらもう今日みたいにバッタリ会うことさえ出来ない
「Aちゃん…どうしたの？」
私達の不穏な空気を感じ取ったのか、伊藤君が心配そうに尋ねる
「だ、大丈夫。なんでもないよ」
じゃ、帰ろーぜ！と三橋君が先に進み
伊藤君も行こうか。と私の制服の袖を控え目に引っ張った
「……うん」
「まっ、待てよA！！」
もう片方の手を猛君に掴まれ、伊藤君と私はハッと立ち止まった
「なんか言えよ…」
こんな悲しそうな顔をした猛君、初めて見た
この顔をさせてるのが私のせいだと思うと
申し訳なくて仕方がない
「ありがとう…ごめんなさい…関わるのはもう辞める…」
お父様ごめんなさい、これだけは許して
猛君の手を振り払い、行こう！と伊藤君の手を掴んで早足でその場を去った
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麻衣(プロフ) - 伊藤落ちお願いします。 (2021年5月30日 14時) (
レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
こもれおLOVE - あと、椋木先生は3組の担任で、山口先生が5組の担任なんですよね。 (2020年8月14日 14時) (レス) id: 773f58e41c (このIDを非表示/違反報告)
こもれおLOVE - アンチじゃないんですけど、三橋と伊藤は3組です。5組の設定だったらごめんなさい (2020年8月14日 14時) (レス) id: 773f58e41c (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 合格おめでとうございます！！おかえりなさい！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: 71439fed4b (このIDを非表示/違反報告)
れおっち - 相良くん希望です 受験がんばってください! (2019年2月23日 20時) (レス) id: 5b344a34f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てあ。 | 作成日時：2018年11月11日 21時
