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37話。 ページ6

探そうにも探せないものがあった。
それは儚くて、散ったも当然のようなもの。


何もできず、ただ呆然としていた俺たちを
あの時、その瞳でどう写していたんだろうか。


その儚いものに、また巡り会えたら。
俺はどうするんだろうか。

そう思った矢先だった。



君にまた会ったのは。







「…子猫が産まれたんだよね。」
「へえ。そうなんだ〜。」

兄弟の会話がふと耳についた。

一松が猫の話?
トド松はそのことに
少し関心のかけらを見せずにいた。


これは遠回しに見てみない?と誘っているのでは?



「へい!ブラザー!俺が一緒に見てやろう!!」
「は?」

一松に「なんなの?」と言われ続けたが、
俺は無理矢理ついて行った。


「シャイなのは変わらないな!」
「は?」



そもそもの始まりは、
俺の突拍子のない言葉からだった。

路地裏に着いた途端、俺は我に変えることになる。




傷付いている君を俺は見つけてしまった。
想像もつかなかった最悪な再会の仕方だ。

雰囲気は違えど、分かってしまう自分がいたことに
今、気がついた。



路地裏に入ろうとしている一松を止めた。
一松は、普段通りにしか見えなかった。


「(一松は、気づいていないのか?)」



そんな中、真っ先に考えたのは
この状況をどう解決するか。

記憶が、気持ちが頭で永遠と回っている。



あるのか?
君を守るという資格が。

見捨ててしまった俺に。



ただ理解に体が追いつかず、
一部始終を目の当たりにしながら、
俺は立ち尽くしているしか出来なかった。


近くでなくても、
君に傷が増えていくことが確認できた。



正直、もう自分の怒りで頭が爆発しそうだ。



このままじゃ、このままじゃ…!!


怒りと余計な感情のせいで震えが止まらない。
声を抑えるために、唇を噛んだ。


その一瞬の瞬間だった。



ガシッっと豪快に、
俺は胸ぐらを弟に掴まれた。



「何で助けないんだよ!
いつもは助けてるだろ!女なら尚更!!」

その言葉が突き刺さり、はっと我に返った。



いつもの俺は、兄弟にこう言っていたではないか。


『助けなきゃいけないものは力ずくで助ける。』


そんな自分の思いでしか溢れていない言葉に従い、
俺は一歩踏み出していた。

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ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、俺のこと好きなの///?え、嬉しい///ありがとう///」もも『あれぇ?いつもなら結婚して!とか言うのにどーしたのかなぁ?あらら、耳が赤いけど?』お「うるせー!俺だってさぁ、真面目に考えるし///」 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» 可哀想だけど、ごめんおそ松!実はそういうところも好きなんだよね笑。とんだ茶番ですね笑笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。さん» お「え、なんかお兄ちゃんの扱い酷くない!?依愛は優しい?けど…。お兄ちゃん寂しがってるよ?」もも『ごめん!ももまつさんはどーでもいいかなー!アハハハハハハハ』 (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)
依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。(プロフ) - ももまつ(全松girl)@低浮上気味さん» そうなんですね笑。おそ松推しなんで凄く嬉しいです!頭にたんこぶをつけたおそ松が想像出来ちゃいますね笑。 (2019年5月2日 21時) (レス) id: 0d2970c678 (このIDを非表示/違反報告)
ももまつ(全松girl)@低浮上気味(プロフ) - 依愛(いあ)さん» 最初のところは私の小説のおそ松ですw私が殴っときました!(⌒∀⌒ )アハハハハハ (2019年5月2日 21時) (レス) id: c97f3faa63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2017年1月16日 21時

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