其の異能力名は＿＿『物語産まれし場所』

太宰治＿＿人間失格 ページ8

如何すればいい？






太宰さんが、このままでは＿＿








そんな心配をしていた数秒前の自分を殴りたい。
この人が自 殺しても死んでない理由が良く判った。








太宰さんが虎に触れた。
虎が敦さんに戻った。





以上！！







……私の心配返せ太宰さん。




如何やら能力無効化の能力者だったらしい。
……いやふざけんなよ。私の心配返せ(二度目)。





『……驚きましたね、真逆太宰さんの異能が異能無効化だとは。』


「あれ？云ってなかった？」



『云われてないです。』



「……そっか。私の異能は【人間失格】…異能無効化の異能だよ。らいてう(らいちょう)ちゃんは？」



『【青踏】……糸繰りの異能です。…で、敦さんを如何するんです？』




此処で【青踏】の事を云うのは拙いんじゃないかと思ったが、別に後からどんな変更でもできる。
問題は無いだろう。





＿＿そう、【物語産まれし場所】さえ知られなければ大丈夫。







「そうだねぇ……あ、その前に。国木田君、出てきていいよ〜。」


「全く……要点の抜けたメモを寄越すな太宰。小僧が虎の能力者か。」




判るんだ…凄いな。いや、見てたなら当たり前かな？
太宰さんと国木田さんが一言二言言葉を交わし、国木田さんの後ろから三人、人が出て来る。
……って乱歩さん？！



…………いや待て。この流れだと私、武装探偵社に強制入社なのでは…？




『……私、これで失礼します。【青踏】、陽！』




青い一本の糸で体を持ち上げ、昇って行く。
気分は何処ぞの怪盗さん。







月は白く光っていた。



・・・


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